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サプライズ

「はじめまして、千羽蓮です」

蓮は頭を下げる。

「はじめまして、私は高木瞳よ。それから息子の知と夫の孝明さん」

「はじめまして、蓮君だね」

頭を上げた蓮に、孝明は優しく語りかける。

「よろしくお願いします」

「蓮、座りましょう」

ずっと立ったまま故、巴はそう区切る。

「わかった」

こうして店員が引いた椅子に、ようやく座った。

部屋は貸し切りだった。

「あんたが彼氏か」

知はじっと睨むかと思いきや、作り笑顔に変わる。

戸惑う蓮に、巴は言葉を紡ぐ。

「彼が勝手に決められた婚約者よ」

「初めまして、千羽蓮です」

蓮は知に再び頭を下げる。

「千羽蓮君、あなたのご両親は何をなさっているの?」

「母は専業主婦。父は、高木ホールディングに契約が決まりました」

その言葉には、皆が驚いていた。

勿論、巴も。

巴は、蓮の父親がどこに決まったかを聞いていなかったのだ。

「そんなの一言も…」

「言ってない」

言ったらおそらく巴は別れると言った筈だから、業と言わなかったのだ。

「あなた、お父様の名前は?」

瞳は問う。

「千羽蓮司。父の契約を無かった事にしますか?」

その言葉に、瞳は笑う。

「いいえ、あなたの度胸気に入ったわ。そのまま雇用しましょう」

そう言うと、瞳は電話をかける。

「もしもし、奈央さん?今、ステラというフレンチレストランにいますの。夫婦でいらっしゃいませんか?…お宅の息子さんも居ますわ。…じゃあ、駅に迎えを寄越します。では後で」

「真田、千羽夫妻を迎えに行きなさい。この間と同じ駅よ」

瞳の手回しは速かった。

その後、個室の時間延長と二人分の追加もする。

店員は戸惑っていたが、直ぐに解決した。


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