引合せ
「お待たせしました」
巴はドレスアップしてレストランに来ていた。
「巴さん…」
知はその姿に見惚れる。
その場には瞳、知、そして父が先に来ていた。
その日二人は真田の乗る車に蓮を乗せた後、瞳が手配したショップに直行していた。
「お二人はここで着替えて下さい」
「わかりました」
巴は返事をすると車から降りる。
「蓮、あなたも降りて」
「わかった」
巴に言われ、蓮も降りる。
ショップに入ると、店員が出迎える。
「彼の服も見立てて下さい」
「お任せ下さい」
店内に客は居なかった。
今の時間、貸し切りに態々しているのだ。
「巴様のドレスは此方になります」
いつもより大人っぽいボルドーのドレス。
これは瞳が事前にチョイスしたものだ。
行き付け故、サイズは把握済みである。
一方、蓮は初めて来た。
様々なサイズの服を用意させており、彼に合うサイズの似合う服をチョイスする。
「此方の服を御試着下さい」
店員の言われるまま、蓮は試着する。
服は黒のジャケット、ネクタイ等になった。
「ありがとうございました」
二人が出ると、店員は頭を下げる。
再び車に乗ると、待ち合わせ場所に向かった。
「蓮、来て」
先に皆の前に来た巴が蓮を呼ぶ。
こうして、蓮は皆の前に現れた。