迷惑な客
「巴!」
蓮が生徒会室に駆けつける。
部活中に連絡がいったのだ。
「愛、不審者は帰ったか?」
「まだ居る。先輩達が帰る様説得してるけど帰らない」
先輩とは杏と操の事だ。
双子と尊は携帯で連絡を取り合っていた。
「君、蓬莱の彼氏だろう?行ってくれないか?」
巴と蓮が付き合っているのは有名だった。
「巴、どうする?」
「真田さんを呼びます」
真田とは、瞳の運転手である。
彼に連絡を入れると、直ぐにやって来た。
知は瞳に弱い。
真田が携帯を渡すと不満げな顔で去っていった。
それから監視が厳しかったのか学校に来ることは無かった。
「ご迷惑おかけしました」
巴は生徒会の面々に頭を下げる。
あれは巴にとっても迷惑な行為であるが、周りに迷惑をかけたのも事実だから仕方無い。
「蓮、あなたも部活に戻っていいわ」
「いや、送る。途中で部活抜けた時点で許可は取ったから」
「そう…ならそうするわ」
こうして巴と蓮は生徒会室を出た。
「駅で待ってるの?」
「ありがとう、なら落ち合いましょう」
用意が出来ている巴は、蓮を待つ間に梓に電話をする。
梓達三人は駅のカフェに居たらしく、合流する事になった。
それは、蓮と帰る事になったのでありがたかった。