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知ってしまった秘密
「わかりました、秘密は黙っておきます。乾先輩の秘密も、お二人が付き合っている事も」
「俺も、勿論黙っているよ。まさかモデルしているとは思ってなかったがな」
「それはこっちもだよ。真紀さんに巻き込まれなければしなかった。とにかく、二人ともありがとう」
「尊、蓬莱さん、ありがとう」
操と杏は感謝する。
だが、何故二人が付き合っているのを秘密にするのかは結局聞かなかった。
それでも変な男に杏が引っ掛かっていないだけ、良かったと巴は思った。
「それでは私は帰ります」
問題が解決し、巴は生徒会室を出る。
「鍵、お願いします。生徒会長、一緒に帰りましょう」
「あっ、そうだね!じゃあな」
こうして巴と尊は生徒会室を出た。
「生徒会長、失礼します」
巴はそう言うと去ろうとする。
「えっ、一緒に帰らないの?」
「あれは二人にする為です、それではさようなら」
そう言うと、巴は本当に去っていった。
尊はきびすを返し、急いで校門に向かう。
だが、巴は現れなかった。
「あれ、僕たちをずっと待ってたの?」
杏と操が出るまで、尊は待っていたのだった。