半年程前
「操ちゃん!」
それは突然の来訪者、慌てた様子で海堂真紀は乾家にやって来た。
標的は乾操、目的は扱き使う為だ。
家族は留守、操は一人部屋で寛いでいた。
「よかった!来て!」
有無を言わさず真紀は操を連行する。
いつもは携帯で事前連絡があるだけに恐ろしい。
速攻で車に拉致られると、慌てた様子で真紀は出発した。
何も言われず、到着する。
更に追いたてられ撮影スタジオに入った。
「真紀さん、何するの!」
「モデルがキャンセルになったの!」
「どういうこと⁉」
そんなことを繰り返し、控え室に押し込められる。
「乾くん久しぶり!」
たまに雑用をする事もあり知っているスタイリスト達は目が光っていた、気がした。
「キャーッ、素敵よー!」
なにも知らないカメラマンの後でスタイリスト達は騒ぐ。
「ちょっと、黙って下さい」
困り顔でカメラマンが言うと小さな声に変え、スタイリスト達は騒いでいた。
「お疲れ様でーす」
カメラマンは仕事を終えると去っていく。
皆が帰ると、真紀と操も車に乗った。
「操助かったわ、ありがとう」
どうせ端に載るくらいだ、誰の代わりなのかは聞かなかった。
しかし、それは間違いだった。
表紙こそ無かったものの、操は一つの特集に数回も大きく使われていた。