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友達?との約束
「蓬莱さん、放課後買い物行かない?」
光はニコニコ笑顔で突然言った。
そういえば、光はいつも放課後も誰かと一緒な気がする。
「他の人と約束してないの?」
「うん、まだね」
光は楽しいのかいつもより笑顔だ。
確かに今は二時間目前、約束するには早すぎる。
「何故?フリだけなのに必要?」
巴は問う。
ただ、巴に興味があるだけだが、普通だと断るだろう。
「一度くらい遊ばないと、話合わせづらいでしょ?」
「…そんなもの?」
「そうよ。じゃあ決定!帰らないでよ!」
光は有無を言わさず席に戻った。
「ちょっと、何で蓬莱さんなんかと約束するの!」
「そうよ、彼女のどこがいいのよ!」
席に戻った光に次々言葉が飛ぶ。
蓬莱巴というクラスメートに関していいイメージが無いのだから仕方ない。
「とにかく今日は蓬莱さんと帰るから、いいよね!」
光が笑顔で言うと、皆諦める。
「わかった…」
「光が言うなら仕方ないよね…」
「瀬尾さん言い出したら聞かないし…」
もうすぐチャイムが鳴る事もあり、皆自らの席に戻っていく。
巴は一瞬だけ光を見ると、また正面を向いたのだった。