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いつの間にか増えていた友達
「蓬莱さん!」
登校時、巴は声をかけられる。
声をかけたのは桃園秋、友達の一人だ。
彼は巴を好きらしいが、巴にとっては友人止り。
勿論秋もそれを理解している。
「おはよう!」
「おはよう」
最初は隠していた挨拶も、巴が生徒会に入り隠さなくなった。
友人でなくても挨拶してくる者がいるので、必要が無くなったのだ。
「巴!」
光が、急に駆け寄って来た。
巴と秋が一緒に居たからだ。
「おはよう!」
光は言うと、秋から離す様に抱きついてくる。
「光、やめて、離して」
そう巴が言うと、一応抱きついた体を離す。
しかし、光は二人の間に居る。
「巴、桃園君、おはよう」
光と登校していた梓はゆっくりやって来た。
「梓、おはよう」
「島崎さん、おはよう」
巴と秋は、梓に言う。
梓は友人であり、生徒会の仲間である。
「光、皆も、校舎に入りましょう」
梓はそう促し、中に入った。
「あっ!」
そんな光景を苺が捉える。
友人に先に行く旨を伝えると、苺は走った。