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お兄ちゃんと私
成瀬悠、旧姓大友悠。
巴の母が亡くなり会社が倒産の危機に貧していた頃、彼の家もゴタゴタしていた。
原因は悠の父の浮気、母は悠を連れて実家に帰った。
それから暫くして離婚、やがて一軒家には人が居なくなった。
そんな経緯を、悠は昔話として話す。
元々悠と父は思い出が少ない故、本人的にどうでもよかったらしい。
「まさか、こんな所で巴ちゃんに会えるとは思ってなかったよ。嬉しいな」
悠は嬉しそうに話す。
だが巴と接点が無い故、話しかける機会も無かった。
「お兄ちゃん、私も嬉しい…」
ニコリと巴は笑む。
それは、昔の巴。
悠を慕っていた頃と同じ笑顔だ。
最初雰囲気がまるで違っていた巴だが、この笑顔を見てホッとする。
だが、それは一瞬だった。
「だけど、学校では話しかけないで。お願い」
「巴ちゃん?」
その顔は切実だった。
巴に何があったのだろう?
だが、詳しい話は聞けなかった。
それでも、最近の話は少し聞けた。
「悠お兄ちゃん、今日はありがとう。楽しかった」
そう言うと、巴は去っていった。
内容が思い付かなかったー!