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生徒会親睦会
「愛ちゃん、行こう」
珍しく積極的な萌奈は、愛奈を誘う。
もう決まっている生徒会親睦会は、萌奈の提案だ。
昼食時間を使って開かれ、他のメンバーも集まる筈だ。
「愛ちゃん、決まっている事だよ。早く行かないと」
「いや!」
「私達が行かなくても、皆集まるよ!」
それは正論だ。
「萌、平気なの⁉お兄ちゃん取られるの私は嫌!」
「いつかは取られるよ。だからこそ、私達が見極めなきゃ」
愛奈はそこで考える。
「萌、行こう」
急に素直に歩き始める。
「うん」
萌は嬉しそうに返事した。
二人が到着する頃、全員集まっていた。
勿論、愛奈がごねた分遅くなったからだ。
「二人とも、早く座って頂戴」
杏は言う。
席順は生徒会長尊を中心に、左右に副会長巴と梓、巴の横に杏、梓の横に操、杏と操の横に補佐の二人がそれぞれ来る。
これは生徒会の席順だ。
「皆集まったね、じゃあ食べようか」
「いただきます」
それぞれに言うと、皆食べ始めた。