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萌に気に入られ
「巴さん…」
萌奈は馳せる。
巴は知らない間に萌奈に気に入られていた。
実は、生徒会に入った事で巴と梓にファンが出来ていた。
「萌、余計な事考えてないでしょうね」
双子という事で、二人は別々のクラス。
普段は萌奈が愛奈のクラスに行くが、今は逆だ。
「余計って?」
「例えば二人をくっつけるとか?」
「愛ちゃんそれいい!」
「良くない!せめて島崎さんにしようよ!彼女は令嬢だよ!」
「身分で決めるの?」
「そういう訳じゃないけど…」
その二人の会話は丸聞こえだ。
「とにかく、わたしは反対!」
五分休み故、時間は短い。
愛はそういい放つと去っていった。
決めるのは双子ではないのに、何故かそうなっていた。
今までも、尊の恋愛は双子によって左右された。
双子、特に愛は、兄尊を溺愛していた。
「私だって、気に入らなきゃ勧めないよ…」
萌奈は一人呟いた。
愛奈と萌奈、二人は後から生徒会に入った事で賛否両論あった。




