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新しい友達はいい子?
祝賀パーティーが終わり、巴と梓は解放される。
「何か疲れた」
「あー、確かに」
愛奈はうるさい、とにかく騒がしい。
落ち着き、和やかな雰囲気が愛奈によってガラッと変わる。
更に、巴は愛奈に敵視されていた。
巴は尊の事を生徒会長としか見ていないと言い何とか納得させたが、今度は兄自慢だ。
「蓬莱さん、島崎さん」
教室に戻っている最中、萌奈が追ってきた。
二人は足を止める。
幸い、愛奈は居ない。
「愛ちゃんがごめんなさい!」
萌奈は突然頭を下げた。
「愛ちゃん、悪い子じゃないんです!」
「それはわかってる。安心して、更科さん」
巴は言葉に出す。
愛奈は単純なのだ。勘違いさえ解けば大丈夫だろう。
「蓬莱さん、ありがとうございます!私の事は萌って呼んでください。愛ちゃんの事か私の事か分かりづらいんで」
「わかったわ、萌さん」
「島崎さんも、お願いします」
「わかった、私も萌と呼ぶよ」
「はい、ではこれで」
萌奈は手を振り戻っていった。
「じゃあ、教室に戻ろうか」
「そうね」
再び巴と梓は歩き始めた。