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友達と挨拶を
「瀬尾さんおはよう」
教室に入ると光はクラスメートに挨拶される。
「おはよー」
光は欠伸をしながら挨拶し返す。
「あれ、寝不足?」
「うん、ついテレビ見過ぎちゃった」
「わかる、面白いとそのまま見ちゃうもんね。で、何の番組?」
「えっと、確かアイドルのやつ?」
光が席に座ると更に集まる。
光はわいわい話しながら前方の席を見る。
光はベランダ側の一番後ろ、巴の席は同じ列の一番前なのだ。
「光、どうしたの?」
「いや?」
まだ来ていない巴の席を見るのをやめると、話を再開する。
「蓬莱さん、おはよう!」
巴が入ったのを確認すると、光は大きな声で言った。
「…おはよう」
巴は小さな声で発する。
「瀬尾さんも飽きないね」
「無視しちゃえばいいのに」
だが、光はそちらの返事はせずに巴の再度の返事を待つ。
「おはようっ!」
ヤケクソに言った巴の挨拶に、クラス中がシンとなる。
「おはよう」
そんな中で、光は笑顔で再度言ったのだった。