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姉妹は巴と友達を監視する
「愛ちゃん、やめようよ」
「何言ってるの、萌。お兄様取られてもいいの?」
「でも…」
二人は更科シスターズ、尊の妹達だ。
名前は愛奈と萌奈だ。
生徒会選定期間中、尊が巴に接近するのを見て危機感を抱く。
勧誘を違う方に取ったのだ。
「あの子達また見てるよ?」
「放ってきましょう」
秋が小声で言うと、巴はそう返す。
何で見られているかはわからないが、害がない間はそれでいいと判断したのだ。
「あの人、蓬莱巴さんと付き合ってるのかな?」
「地味なのが?趣味悪い!お兄様が一番魅力的なのに!でも、お兄様に悪い虫がつくのは嫌だけど、お兄様が振られるのも嫌だな」
「愛ちゃん、どうなって欲しいの?」
「勿論、お兄様が私達のものってわかって欲しい!」
そう、愛奈は特に兄を溺愛していた。
「あっ、皆戻ったよ」
萌奈の言葉で二人は立ち上がる。
二人が居たのは真上だった。
愛奈は飛び下り、萌奈は梯子を伝い下りる。
「最近、戻るのが早いね」
二人が時間に間に合う様に早く戻った事を、二人は知らない。