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噂は友達から友達へと無限大に広まる
「おめでとう!」
「蓬莱さん、生徒会入り凄いよ!」
教室に戻ると、光の取巻きを含めクラスメイト達は巴を持て囃した。
いつにないほど巴の周りに人が集まる。
「巴、行こう!」
いつもと違う状況に、面白くない光は膨れっ面で巴を連れ出した。
「光、ありがとう。助かったわ」
後ろ姿のままの光に、巴は言う。
やがて、光は人の来ない場所で立ち止まった。
「ねぇ、本当に生徒会に入ったの?」
「え?えぇ…」
巴は曖昧に頷く。
巴自身だって入りたくなかった。
だが光が風紀委員に入ってしまい、阻止するために否応なしに入った。
結果、阻止すら無理だったが…。
「こんな事なら、ちゃんと確認すれば良かった…」
光は後悔するがもう遅い、後の祭りだ。
「光、決まってしまったものはもう仕方無いわ。私達が友達じゃ無くなる訳じゃないでしょう?」
「うん、そうだよね…」
光は半分言い聞かせる様に、そう言ったのだった。




