友達の話す噂話
「一年で、島崎梓さんと蓬莱巴さんが誘われたって」
「島崎さんはあれでしょ?不良?みたいな。蓬莱さんは…誰?」
苺の友達はそう話す。
「ねぇ苺、蓬莱さんって知ってる?」
話を右から左へ流していた苺は、急に友達に話を振られて慌てる。
「え?うん…」
「流石苺!」
友人達は、苺を只の情報通だと思っている。
そんな苺の友達同様、他の生徒達も誘われた二人は誰だと噂する。
「面倒ね」
「そうだね…」
噂される二人はうんざりしていた。
元々、目立つのが好きではない二人だ。
当然と言えば当然である。
巴の所には毎日尊が、梓の所には生徒会の斉賀杏が毎日来ていた。
「光、風紀委員に入ったの?」
「うん、誘われたから。巴も生徒会に入るんでしょう?」
断り続けているというのに誰から聞いたのか、それを問うと勧誘者とクラスメイトと言う。
「え、巴入らないの?入るって言うから受けたのに」
「光、そういう不純な動機は駄目よ」
「……」
これでは光がどんどん駄目になってしまう。
だが、どうしようも無い。
それにしても、生徒会は周りを固めに入っている。
それも戦略の一つだ。
巴と梓は、生徒会と話をつける必用があった。