友達である光に望む距離感
「今年度生徒会長は更科尊君に決定しました」
生徒総会、生徒会長選挙は数名の中から二年の更科尊と決まった。
スポーツマンで人気の尊は暖かい拍手を贈られ、挨拶をする。
そして生徒総会は終わった。
「誰が一年で生徒会のメンバーになるんだろうね」
「やっぱり人気者じゃない?」
「となると、光かな?」
「蓮くんも捨てがたいよね」
学校では、既に残りの生徒会員の予想で持ち切りだった。
それは一年生も例外ではない。
生徒会員は生徒会長が決める為知りあいや人気者、スポーツや勉強に秀でている者がなる確率が高い。
「巴!」
光は巴の側に行く。
最近は他のクラスメイトが光に近づくより先に、光が巴に話しかける方が多い。
「瀬尾さん、何か用?」
巴はそう言う。
普段は光と呼ぶがクラスメイトの視線が痛く、話しかけないでほしい時はそう言っているのだ。
「うっ、特には…」
「光、席に戻って」
「はい…」
光はしゅんとする。
巴は適度な距離感を保ちたいのだ。
「光、最近変だよ?」
「蓬莱さんに構ってもらおうとし過ぎ!」
戻った光に皆は先ずそう言う。
「そんなこと無いよ!それよりさ」
光は話を反らそうと別の話題を振った。