33/113
友達の教室で
「巴、お弁当途中だよね」
梓は巴に声をかける。
「うちのクラスで食べない?」
「?」
「皆私に干渉しないから大丈夫だと思うよ」
「でも…」
巴が困っていると、梓は再び紡ぐ。
「一人じゃ味気ないから、お願い」
「じゃあ…よろしくお願いします」
こうして二人は梓の教室は向かった。
普段チャイムギリギリまで梓は戻らない。
だが、この日は巴と共にクラスへ戻る。
クラスはワイワイとしていた。
だが、梓が現れ雰囲気が変わる。
「梓様…」
まるで盲信、男女問わず彼等は梓に見とれた。
明るい光や蓮に対するものとはとは正反対のものである。
梓が自分に干渉しないと言ったのはただの勘違いである。
「座って」
梓は自らの席の前の子の椅子を巴に勧める。
巴は梓と共に注目されながら弁当を食べ始めるのだった。
梓は気にしてないようだが、巴は注目されているのに気づく。
「巴、どうしたの?」
屋上と違う様子に梓は不振がる。
「何でも無い」
そんな訳無いが、巴はそう答えた。