友達の秘密
「秋、昼飯食べよう…」
「桃園ならもう教室出たよ」
ここ数日、こんな日が続いている。
蓮が先に来ると一緒に食べるがそわそわしているし、来るのが遅れるとこれだ。
そんな時は光達女子グループと食べる。
「何、桃園君に振られたの?」
「本当、仲良かったもんね」
「彼女でもできたんじゃない?」
光の発言に更に女子が言いたい放題続く。
「わかんない…」
珍しく傷心の蓮に、皆キュンとなる。
そして、そのなかの一人が言った。
「なら、後つけちゃえば」
その時は笑いながら否定する。
「あ、秋」
数日後の昼休み、秋は辺りを見回し教室を出る。
「怪しいね」
後ろから光は言う。
普段弁当の光は、本日は購買だ。
蓮は急に声をかけられ心臓バクバクだった。
「尾行する?」
それは光の好奇心だった。
だが、その悪い誘惑に蓮は惹かれる。
「…する」
こうして二人は秋の後をつけるのだった。
秋は階段に着くと急いでかけ上がる。
更に上へ。
秋は最終的には屋上の扉を開け消えた。
「屋上?何で?」
なにも知らない蓮は頭にハテナマークを浮かべるばかりだ。
だが、光は多分知っている。
何故なら少し前まで梓と巴の三人で食べていた場所だからだ。
「瀬尾、行こう!」
「え、待って!」
蓮に手を引かれ、拒否ができない。
そして蓮は屋上へのドアを開けた。




