表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/113

必要としなかった友達

「巴さん、友達は出来まして?」

入学してから1ヶ月後、久々の家族揃っての食事で母に聞かれる。

「はい、出来ました」

巴はさらりと嘘をつく。

「なら、一度連れてらっしゃい。そうすれば私も安心です。ねぇ、あなた」

「そうだな…」

父はいつもそう、母親に賛同する。

昔は優しい父だった。

だが、今の母親に見初められ結婚してから父は変わってしまった。

言いなりなのだ。

「そうね…次の土曜に連れてらっしゃい。迎えを近くに寄越すからそれで自宅に向かいなさい」

「はい…」

言いなりなのは自分自身も変わらない。

手帳を見て勝手に予定を決めた母親に抵抗しないのだから。

食事と風呂を終えると部屋へ向かう。

母親はもう屋敷を出た頃だろう。

「巴、すまないな」

父は部屋に来ると謝る。

父の名は蓬莱孝明、今は高木孝明だ。

巴の父は義母である高木瞳の婿養子に入ったが、巴は養子縁組みしなかった。

義母が望まなかったのである。

本人である巴も心の中では嫌だと思っていたので有り難い。

父が去った後、考える。

友達は居ない、必要としなかったから。

関心は持たないが余計な事をする義母に、急遽友達役が必要となってしまった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ