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元友達からの攻撃
葛山成美の名は、元々優秀な人材として語り継がれていた。
そしてこの度復帰した。
その次の日には攻防戦が始まる。
「今までの資料を頂戴」
秘書長になり、部下に言う。
彼女等はここ数年の資料を提出する。
「流石島崎社長ね、ちゃんとやってるじゃない」
十年以上のブランクがあるとはいえ、成美は直ぐに感を取り戻す。
とはいえ、どこの会社にも悪い奴は居る。
実際、会社内で急に広まりだした。
「田中常務が賄賂?内田主任が不倫?」
どこからどう広まったのかわからないが、実際一週間もかからず広まった。
「信用の置ける社員で一時的な新部署を設立します。噂の出所とその真意を探らせるの」
成美が指示すると、秘書達は人選を開始する。
「急におかしいわ。まるで図った様に…」
成美は考えた。
更には情報流出も起きる。
開発部の辞めた社員が引き抜き先に手土産として渡したのだ。
勿論その先とは瞳の会社だ。
それにより、成美は確信した。
今まで後手に回っていたが、反撃を開始する。