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屋上での出来事、光の友達
「梓!」
光は遅れて来た梓に笑顔だった。
「遅れてごめん」
梓は言って固まる。
光の隣には見知らぬ生徒、巴が居たのだ。
「まさか…」
梓は眉をひそめる。
「えー、こちらは…」
まるで仲人の様に、光はお互いを紹介したのだった。
「あんた、友達多いくせに本当に仲良くしようとする人は変わり種ばっかよね」
梓は溜め息をつく。
梓の学校でのポジション、それは一匹狼だ。
あまり人となれ合わない。
「瀬尾さん、何考えてるの?私と友達になるって事は…」
「その事は光から聞いてる。そっちは心配しなくていい」
「梓は家電の大手、SHIMAZAKIのお嬢様だよ」
巴は驚く。
だが、それこそ心配だ。
「あの人は、徹底的よ。島崎さんの家まで潰しかねない」
すると光はキョトンとし、梓ニヤリと笑う。
「それこそ問題無いわ」
「?」
「成美さん、光のお母さんはやり手よ。復帰したからには会社は心配無いわ」
二人には余裕があった。