14/113
友達の登校
「おはよう!」
光はいつも通りだった。
それは周りも変わらない。
ただ、巴に対しても同じ様に挨拶をする。
巴は無視をする。
そうでないと、光はもっと酷い目にあうからだ。
「巴、おはよう」
光はめげない。
「瀬尾さん、馬鹿な事したわね」
そう一言、巴は言った。
「それは大丈夫、何とかなるって!」
巴には、彼女がノーテンキに見えた。
「で、会わせたい人居るから昼休みは一緒ね!」
光は一方的に言って席についた。
「みんな席に着け~」
担任が入る。
担任は巴と光をチラッと見た。
だが、いつもと変わらない。
出席を取り、いつも通りする。
彼はあくまで傍観者、それを瞳に報告するだけだった。
〈何も問題起こすなよ〉
担任は毎日祈る。
とはいっても一日中見張る訳ではないのだが。
「巴、約束したよね」
昼休み出て行こうとした巴に、光は間髪入れず捕まえる。
「既にお弁当は持ってるみたいだし、行こっか!」
光は言うと、巴の手を掴んだ。