友達の友達
「梓、助けて!」
「何を?」
日曜日、巴の母と決裂した次の日、光は幼なじみの家に居た。
「光、何かしでかしたのね」
梓は溜め息をつく。
島崎梓、彼女は家電メーカーSHIMAZAKIの令嬢だ。
実は専業主婦である母は昔、彼女の会社の秘書をしていた。
光は事の顛末を梓に話す。
梓はその話をポッキーをかじりながら聞いた。
「とりあえず、貰っておけば大事にはならなかったんじゃない?」
「そうなんだけど…」
理性でわかっていても許せない事もある。
あと、ちょっと梓だよりにした。
「とりあえず、父さんに話してみるね」
梓は溜め息をついて電話した。
梓父はハイテンションだった。
梓との差は歴然である。
梓は光から聞いた話を父に話す。
すると、父は急に真面目になった。
「光君のお友達が言っていた事は本当だろう。そもそも、高木瞳はその蓬莱を潰す素振りを見せて結婚したという噂もある」
「は!?」
スピーカーにしていたので光にも筒抜けだった。
高木瞳は、業界では悪名高いのだ。
「光君の父君は助けられないが、仕事は成美君がする事でカバーすればいい」
要は復帰だ。
梓父は、今でも母を買っている。
「万が一、家を追い出されたらしばらく家に来なさい」
更に案を出してくれる。
そして、それは現実になった。
日曜のうちには首、更に家を追い出されたのだ。