奥の席
「お母さん美人だね」
「そうよ。でも、お母さんには婚約者がいるから手を出したら駄目だからね!」
柚は言うと、カウンターに座るスーツの男性を指差した。
男性は気付くと、此方に手を振ってくる。
柚はそれを見ると手を振り返した。
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
鴨志田は、立ち上がると会計をした。
「じゃあ、聞かせて貰おうか」
「え?」
「君と巴の関わりだよ。何があったかね」
その言葉に、柚は顔を青くする。
「まさか…」
「そうじゃないと、俺が君に会いに来る訳無いよね?」
蓮は笑顔で言った。
それは同時に、柚の事を何とも思ってない証拠でもある。
柚はガックリ肩を落とす。
だが、このままでは終われない。
柚はありのままの出来ごとを話した。
「私の親は、蓬莱巴に殺された様なものよ」
そう話すと、蓮は考える。
「それ、少し違うんじゃないかな?巴や君はむしろ被害者。君の事があって、巴は人を遠ざけてる」
柚はその言葉に唖然とする。
だって、そんな風には見えないからだ。
「彼女には友人が何人もいるじゃない、蓮だってそうじゃないの?」
「それは巴の友人達が足掻いた結果だよ」
そう言うと、蓮は立ち上がった。
「じゃあね」
蓮は様が終わり、帰っていった。
その言葉を聞き、柚は唖然としたのだった。