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ホントの姿

「栞!」

昴は突然現れた。

居酒屋の件から数日後である。

「すばっ!」

途中まで口走り、口を塞ぐ。

今は、清楚で可憐な栞ではない。

ギャルの格好に近い本人、隣にはそれに拍車をかけた友人も居る。

「あんた、写真の?」

「はい、栞の彼氏です」

「ウケる!」

友達は笑いだす。

「ちょっ、栞ー!どーすんのさ!」

笑いながら栞に問う。

ただし、勿論他人事である。

「栞…」

「これが私のホントの姿よ。よく、来れたね」

「でも、栞は栞だろう?」

「私はアンタをバカにしてたんだよ?」

「知ってる。というより、その姿見たことあるから」

「は?」

その言葉に栞はポカンとする。

いつだと頭を巡らせるが、そんな記憶は無い。

「庵も一緒だった」

「なっ、じゃあ!」

「君の本性を知ったからだろうね。丁度悪口言ってたし」

「知ってたとかウケる!」

友達が大爆笑するのを見て、栞は睨む。

「あ…、ゲーセン行っとこうかな」

「そうして」

友達はそうしてこの場から離れた。

「アンタ馬鹿?普通、その時点で別れるでしょ?離れるでしょ⁉️」

「でも、栞が好きだから…庵も別れろって言ってたけど」

「本来、それが本当よ」

「でも、今は知ってる」

「でしょうね。で、何が言いたいの?」

「付き合って下さい」

昴の言葉に、イライラは消える。

というか、唖然とした。

「あんた、馬鹿でしょ。別れて…」

「別れたくない。どっちも栞じゃないか!」

「こっちの姿でも構わないっていうの?」

「構わない」

「…結婚する前に遊ぼうっていうの?意外と器用なのね」

「結婚は栞としたい」

「目茶苦茶じゃない…いいよ、こっちの姿でもいいなら付き合ってあげる。ただし、結婚は無理と思うことね」

「そこは頑張ります」

「頑張るんだ…今日は帰って、友達優先!」

「じゃあ後で!」

昴はこうして帰っていった。

「栞、結構彼氏クンの事嫌いじゃないよね」

「見てたの…」

友達は姿を現す。

「そっち優先しても良かったんだぞ!」

その言葉に栞は再び睨む。

「もう、遊ぶよ!」

「じゃあ、ゲーセンだ!」

ゲーム好きの友達の言葉に、苦笑いするのだった。


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