エロサイト見てたらグロ画像出てきた
目の前に広がる光景、つまりは、女性の大きい胸の画像だとか毛が剃られた股間の画像だとかの中に頭から血が流れている男の画像が入っているのを見て、俺は吐いた。まったく悪質な広告である。
どうでもいいことではあるが、女性のモノは股間というのだろうか。男に使われて然るべき言葉ではないだろうか。股間って。
このくだらない思考はただの現実逃避である。吐きたくなるほど辛いときは、いいことだけを思い出すのがいいと聞く。女性のモノを股間と言うか言わないかという話は、あまり「いいこと」だとは思えないが。
いいこと、ね。学生時代友人と遊んだ思い出だろうか。
ド田舎でスマホもまともに使えないところだったけれども、高校生にもなって鬼ごっこをしてよく遊んでいた。楽しかった思い出だが、さらに吐き気がしてきたので、思い出すのはやめることにする。
都会に出たことで俺は色々な知識を毎日のように得ている。例えばエロサイトを見て急に変な警告文が出てくれば無視が一番だと新しくできた友人に聞いたし、吐いた後はうがいをした方がいいとも聞いた。後者は地元でも聞いたことある気がするけれども。
人生において、もどしたことなんてそんなねぇしな。
都会に出たことで俺は色々な知識を毎日のように得ている。得ているが、唐突に死んだ友人の画像を広告という形で見せられた場合はどうすればいいのかは分からない。
友人の遺体があるのは現実世界ではない。スマホの中の世界だ。つまりノリでぶつかって殺してしまった時の様に遺体をどこかに隠すことはできないし、もしかしたら他の人がこの広告を見てしまうかもしれない。
それがあいつの失踪事件の真相に繋がるとは思えない。だけども、俺が殺してしまった友人の遺体を、まだ腐ってもいないうちに発見して写真を撮り、それを広告として出す人間がいる時点で相当恐ろしい。
どうしたものかな。見たくない現実は見ないのが一番だと俺は考えているので、とりあえず他のサイトを見ることにした。
YouTube がいいかな。
開いた瞬間に出たショート動画をすぐにスワイプすると、また死んだ友人の死体が出てきた。YouTubeは広告の審査が甘いとは聞いていたが、まさかここまでとはな。
この広告を出したやつは、YouTubeに出す広告だから、せっかくだしとでも思ったのだろうか。動画形式の広告である。友人の死体を色々な角度で撮っている。スワイプするか迷っていると、急に撮影者は刃物をカメラの前に突き出して、それで、友人の死体の首を切って見せた。
「君の友達、こんなんになっちゃったよお」
気持ち悪いおっさんの声がそういったのを聞いて、俺はもう一度吐いた。




