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僕、絶対に嫌われてると思うんだけど  作者: かわいかつひと
見られる者達

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14/16

情報は足で稼ぐ

翌日の朝、ミドリ先輩に「わからなかった」と伝えた。


返信は短かった。


「そうですか」それだけだ。


落ち込むより先に、もう一通来た。


「今日の昼、涼香も一緒に話しましょう」


——


三人で集まったのは、実験室じゃなかった。


涼香さんが「あそこは嫌だ」と言ったらしい。


ミドリ先輩から聞いた。


理由は聞かなかった。


スキャンされたことを考えると、実験室という場所自体が今は重たいのかもしれない。


結局、中庭の端にあるベンチになった。


人通りが少ない場所だった。


「デジタルで追えないなら」とミドリ先輩が言った。


「直接聞くしかありません」


「誰に」と僕は聞いた。


「あの日、あの場所にいた人間に」


涼香さんが少し黙ってから言った。


「中庭に、何人かいたと思う。見覚えのある顔が」


「覚えてますか」


「二人は同じゼミの子。もう一人は……生徒会の、えらい人だと思う。顔は知ってるけど、名前までは」


ミドリ先輩の手帳を持つ手が、一瞬だけ止まった。


書くのをやめた。


「そうですか」とだけ言った。




僕はソラに小声で聞いた。


「生徒会の構成員、わかる?」 ソラが静かに光った。


「学内の公開情報の範囲では。ただし顔写真の照合は私にはできません」


「涼香さんに見てもらえばいい」


「そうですね」


涼香さんに頼んだら、少し考えてから頷いた。


ソラが名簿を投影した。


涼香さんが一人ずつ確認していった。


途中で、指が止まった。


「……たぶん、この人」


画面に映っていたのは三年生の名前だった。


役職は学生会長。


「確かですか」とミドリ先輩が聞いた。


「確かじゃないです」と涼香さんが言った。「でも、たぶん」


三人ともしばらく言葉が出なかった。


中庭の向こうで誰かが笑っていた。


遠くて、誰かはわからなかった。


「どうします」と僕は聞いた。


ミドリ先輩がベンチから立ち上がった。


「確かめます」


「どうやって」


「会いに行きます」




涼香さんが「一人で行くの?」と聞いた。


ミドリ先輩が少し間を置いた。


「……夏目くんに来てもらおうと思っています」


僕は聞き返さなかった。


聞こうとして、やめた。


——


帰り道、ソラが言った。


「レンさん」


「なに」


「ミドリさんが涼香さんではなくあなたを選んだ理由、考えましたか」


「……考えてない」


「そうですか」


0.三秒。


「わかるの?」


「わかりませんが、可能性は提示できます」


「じゃあ、いいや」


「はい」

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