4話 ノーヒット
”・・・おい・・このボス確か
運営が難易度調整のミスを認めて
明日 修正が入るボスだよな?”
ボス
ハリス・ヴァーレの袈裟斬りを
かわすと同時に懐に入り込み
斬撃を与える!!
”・・・そのボスを
圧倒してやがる!!”
一度 間合いを取り
再度ボスに接近!
”対人ゲームやってて
稀に見ることがある
・・・なんだ あの
人間じゃねえような動きは!”
「(・・・ウソでしょ?
人って ここまで
強くなれるものなの!
・・・あれは まるで
・・・閃光だ
リスナーが耐えてた物を
解き放つような
そんな叫びをあげた
”やっちまえ!
ノーヒット!!”
「ノーヒット?」
”俺はイエスタデイが出演してから
あいつが被弾するところを
1度も見たことがねえぞ!!”
ハリスの
弾幕のような連続魔法攻撃を
スピードを止めることもなく
突進し かわし
ハリスに迫る!!
”なんで あれを
かわしながら
スピードを止めることなく
突進できるんだ!
あれは”
”ノーヒットだ!!”
そして一閃の元に
ハリス・ヴァーレを倒した!!
「(・・・倒しちゃった
あの調整ミスのボスを)」
コメント欄が
歓声を上げる
そして
”ノーヒット”と
コールする
”あいつ
なんでプロゲーマーに
ならねえの!?”
プロゲーマー?
それに興味はない
僕は
歌を創って
歌詞を創って
物語を書いて
唄って居たいだけだ
配信 終了
「同接が100人を超えた!
これ再生数どのくらい行くだろう!!」
・・・夜中の2時に
そんなに見てるの?
「そりゃあ そうだよね!
運営が認めた難易度調整ミスのボスを
あんなに圧倒しちゃうんだもん!
貴重な動画になったわ!!」
これって そんなに
すごいことなの??
「わかってないの!?」
いや だって
僕が倒せるんだから
みんなも普通に
倒せるだろ??
「それ 他では
絶対 言っちゃ
いけないやつだからね
イエスタデイ君^^?」
「(イエスタデイの
精神障害の悪化は
とりあえず
その期間を過ぎた
精神障害の症状が
軽かったり
普通だったり
重かったり
まあ 軽くても
健常者には
すごく体調が悪いに
妥当するんだけど
どうやら今回は
重い時期に当たったらしい
ひどい目にあったよと
笑いながら言っていたが
私は わかってる
本当は苦しかったと言う事を)」
「(あんなに
ひどい目にあってて
笑って済ませるなんて
・・・すごいな
・・・私にはできない)」
「(・・・でも)」
へ~
あのボス
世間では鬼畜って
呼ばれてるのか~
この配信からイエスタデイは
プレイヤー間で
”ノーヒット”と
呼称されるようになる
ところでストーリー終わって
つぎの大型アプデ待ちだけど
次の配信なにをするの?
イタズラな笑みを浮かべ
からかうように言う
「みんな”ノーヒット”に
注目してるんだから
その強さの真相に迫る
インタビューとか
どう?」
・・・やめて
ノーヒットって称賛されるの
めっちゃ ハズい
「(・・・本当に
照れてるの?w)」
「勝ち誇れば良いのに~w」
「私もノーヒットって
呼ばれたいなぁ
・・・まあ
・・・被弾するんだけど」
後日
タイトル
”ノーヒットの強さに迫る!!”
今夜の
トゥモローの配信は同接100人を
越えて居た
リスナーもノーヒットと呼称されるようになった
イエスタデイの力に興味があるみたいだが
放送事故になりかけていた
さっきから言葉を発しない
イエスタデイ
「・・・あの?」
”おい まさか
イエスタデイって
緊張してるのか?”
”何も喋らないぞ”
”配信これで大丈夫なのか?”
「(・・・やっぱり
リハーサルって
重要なのね)」
とりあえず言葉を見つけて
投げた
「イエスタデイは”つむの~”では
プレイヤー間で”ノーヒット”と
呼称されている
1度もボスの攻撃に
被弾していないから
つけられた異名ですよね?
そう呼ばれるのは
どう思いますか?」
・・・めっちゃハズいです
ずっと
こんな感じだ
「(・・・どうしよう
今夜の配信)」
リスナーが
コメントをする
”ハリス・ヴァーレ戦の時に
何を考えて動いていたのか
知りたい”
「あ そういう質問が
リスナーさんから
いただいていますが?」
「確かに運営が認めた
難易度調整を失敗して鬼畜のように
強くなったボス ハリス・ヴァーレ
今は修正されて適切な
難易度になっていますが
ハリス相手に
どのような事を考えながら
倒すに至ったのかを
教えていただけませんか?」
・・・
・・・なんていうか
頭の中で勝手に閃くのです
物語ができるみたいに
「(・・・どういうこと?)」
”あいつ何を言って居るんだ?”
「と言うと?」
ボスが
こう動くだろうなって
勝手に閃いたら
その通りになって
「(・・・そんなことある?)」
ボスが
どう動くかわかるのなら
それに応じて動けばいいだけなのですが
身体も勝手に動くのです
思考よりも先に動作が
”
”何を言ってるんだ?”
だから いつも戸惑います
思考が動作に追いつかないから
いつも
それが足枷になっていて
とんでもない障害になって
うまく動けない
「(・・・足枷があって
あんなに動けるの?)」
聞くのが怖いような
でも それよりも
好奇心が勝って
イエスタデイに問う
「もし
思考が動作に追いついて
その足枷がとれたら
イエスタデイは
どんな動きができるのですか?」
想像でしかありませんが
精神障害者が健常者になったみたいに
動けると思います
”・・・どういうこと?”
「(・・・イエスタデイ?
例えが健常者には理解できないって)」
「つまり
イエスタデイは
障害者のような障害があってもなお
鬼畜ボスを倒せるような
強さを持って居るのですね?」
”そういうことか!!”
「(・・・やっと伝わった)」
「なぜ?
ボスの動きがわかるのですか?」
全部
見えてしまうのです
『そうか
こうなっているのか』と
「(・・・」
「(・・・つむの~のボスは
決まった行動パターンが無いのに)」
リスナーには
とりあえずイエスタデイは
すごいプレイヤーと言う
認識を与えて
今夜の配信は終わった
現実世界
寝る前に
ベッドに入り込んで
イエスタデイの言葉が
頭の中で繰り返す
見えてしまうのです
『そうか
こうなっているのか』と
思考よりも先に
身体が動いて
それが
とんでもない足枷になって
うまく動けない
「そんな状態で
あんな動きができるの?」
「もし
「思考と動作が連動したら
どんな動きができるの?」
「もし
「イエスタデイが
健常者になれたら
さらには
どんな動きができるのよ!?」
掛け布団を頭にまでかけ
どうしても考えてしまう
「・・・やっぱり
精神障害って悲しいね
どんなに才能を持っていても
すべてに足枷になる
「例え また
貴方と連絡が途絶えて
居なくなってしまっても
理解してあげて」
一か月でも
1年でも
5年でも
10年でも
イエスタデイを待って居る」
さすがに10年も待ってたら
サービス終了してるんじゃ
ないかな?
「例え
サービスが終了しても!!
イエスタデイを待って居る」
なら
そのときは
君を探しに行くよ
トゥモロー
現実世界
朝
眠りから覚めて
ベッドから起き上がる
「・・・」
・・・なんて夢を
見てるのよ私
「っていうか あの時
なんて恋人みたいなことを」
「・・・
・・・恋人!?
「いや
ちがうちがう!
そんなんじゃないし!!」
「そりゃあ気遣いもできて
イケメンだけどさ・・・」
「・・・」
「・・・あの時
声をかけてみれば
良かったなぁ
イエスタデイの家
ダメだよ?
繋がって居る人間が
自分勝手に生きちゃ?
そう生きていいのは
誰とも繋がって居ない人間だけ
貴方は私と繋がった
もう独りでは生きられない
自分で創った歌詞に
自分で創ったメロディーに
乗せて
歌を唄うイエスタデイ
いい加減
創りかけの歌を創るか
歌詞と物語は
思い付きで書けちゃうけど
歌作りだけは
手間がかかるんだよな
だから気が乗らなくて
後回しにしてしまう
まだオリジナルソング
5曲しか創れていないや
唄うのは好きなのにねぇ
トゥモローと過ごした日々を
思い出す
こんな身体だから
人と交流できなかったけど
俺の事を精神障害者だと
理解した上で
交流してくれる女の子が
居るんだな
トゥモローも精神障害者だから
気にしないのか 知らんけど
ありがたいことだ
そういえば
絶望してた時を思い出して
創った歌があったな
こんな世界
どうして受け入れられるの?
これが運命なら呪いたい
ずっとずっと 憎めるように
救われるのなら
願うのはやめよう
そんな物
探してもどこにもない
信じられる者が居れば
少しは楽になれるのかな?
どうしてだろう
・・・すがりたいのは?
・・・
・・・信じられる者か
そう言えば
最近 言うほど
絶望しなくなったな
絶望を味わい過ぎて
絶望にマヒしているのか
あるいは
・・・
もしかして俺って
いま 幸せ??
MMO つむの~の世界の中
おい?
”ノーヒット”ってやつ
知ってるか?”
”あぁ あの
覚醒ルナフェクトや
ハリス・ヴァーレを
倒せちゃうバケモノだろ?”
”なんでも まだボスの攻撃を
被弾したことがないんだってよ”
”だから”ノーヒット”って
呼ばれてるのか!!”
その話を聞いている
ひとりの青年
へ~
”挑んでみないのかよ?
すべてを命中させて消滅することで”
『フルロスト』
の異名を持つ
ヴァリアン・クスト殿?
ヴァリアン「被弾したことのないやつか」
銃口を構え
ヴァリアン「そっか~
当ててみたいな~




