2話 君の話
とても よく
理解できます
・・・
これを理解できる?
やはり この女の子は
普通ではない
グレンハム王国 城下町
カフェ
注文した紅茶が届き
それを ゆっくりと
口に運ぶトゥモロー
気が合うな
それが素直な感想
トゥモローさんは
つむの~(MMOゲーム紡ぐノートのタイトルの略称)で
どのキャラが好きなの?
「・・・え!?」
すごく驚いたような
そんな表情をしていた
どうしたのだろうか?
僕の好きなキャラを聞いてくれたんだ
こっちも聞いてあげるのが礼儀だろう
自分の好きを話せるのは
うれしいことだし
「・・・なぜ
・・・聞いてくれるのですか?」
その言葉から察するに
聞いてくれるような人が
今までに居なかったのであろうか?
自分の好きを話せるって
うれしいじゃん
「・・・」
少し黙ってしまって
それから口を開く
「人の好きを否定して
バカにする人なら
たくさん見てきましたが」
あれ この考え方は
「私の好きを
聞いてくれる人が居るのですね」
・・・僕と・・同じ??
「その好意にあまえさせてもらって
話させてくださいね
私の好きなキャラは
アスト・ヴァルシ
え?僕と同じ??
「この女の子って自分でしたくて
世界を壊そうとしてないじゃないですか?」
・・・あ
「この女の子の愛するデージュ・アダリクスのため
そのデージュを慕う
すべてに絶望した友のために
自分にしかできない創の剣を振るう事を
そのために命を捧げることを選んだ
人って・・・
なんで ここまで
人を愛せるのですか?
こんな
クソッタレしか居ない
こんな世界で
・・・
「だって この世界
自分の事しか考えない
クソみたいな人間しか
居ないですよ?」
同じ事を考えていた
「相手に合わせても
向うは
私に合わせてくれないですよ?」
同じ事を考えていた
「相手の興味ある話を
聞いてあげても
私の話は聞いてくれないし」
どこまで君は
僕と同じことを考えているんだ?
「だから まさか
私の好きな事を
聞いてくれる人が居るなんて
思ってもみませんでした」
・・・
その境地に至っていると言う事は
「え?」
君は
どれだけ純粋で
どれだけの絶望を
見てきたんだい?
「・・・」
しばらくの沈黙
それを見守るイエスタデイ
気が付いたらトゥモローは
涙を流していた
「・・・どうして
・・・聞いてくれるのですか?
・・・人のグチって
・・・嫌な物ではないんですか?」
「・・・どうして
・・・理解してくれるんですか?
・・・誰も わかってくれないって
・・・思ってたのに」
言葉を選んだが
それをやめて
素直に
ぶつけてみることにした
君は僕
だからじゃないかな?
「・・・」
きっと
同じ生き方をしている
「・・・」
だから わかる
「・・・」
「・・・そうなんだ」
どうして
配信を始めようとしたの?
その題材に
つむのーを選んだのは
なぜ?
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・どうして
・・・聞いてくれるのですか?」
興味があって
「・・・そんなことされたら
・・・うれしくなって
・・・なんでも話しちゃいますよ?」
聞きたいから
ぜひ
自分の好きを話せるって事は
うれしい
だから話したくなる
問題は
自分の好きを聞いてくれる人が
まったく居ない事
自分の好きを否定する人が
自分の好きをバカにする人が居る
そういう人たちの方が
圧倒的に多い
ただ僕の場合
喜びそうだから聞く
そういう目的ではなく
純粋な興味で
聞きたいと思っていた
うれしそうに自分の好きを話す
トゥモロー
イエスタデイも
配信には興味があって
それに聞き入っている
気が付けばリアル時間は
深夜を越えて居た
「ごめんなさい!私!
喋り過ぎちゃいましたね!?」
どうせ
眠れないだろう僕達?
睡眠障害で
「・・・」
こんな身体じゃ働けなくて
明日も予定があるわけじゃないし
「・・・じゃあ
・・・明日まで
話し込んでもいいですか?
もう明日だけどね
「いえ」
「次の24時越えるまで~♪」
それは
きっついわー
次のアプデで
ジェリルストーン編が
プレイ可能ですよね~
グレンハム王国 城下町
公園
あ~
「反応薄いですね?」
そういうわけじゃ・・・
「・・・
・・・もしかして
人の創った物語に
興味なかったりします?
・・・え?
「イエスタデイさんの
その自キャラの紹介文」
どうしたって この想いは
止めることができなくて
気が付けば君の名前を
叫んで居た
君がくれた物が ここにあって
すべてを愛しくさせてくれるから
ずっと今も君を愛しているから
心から そう想える人
どんな事があっても変わらない
伝え続けよう この想いを
それを読み上げられ
居たたまれない気分になる
イエスタデイ
「自分を紹介する気が
ありますか?」
・・・いや・・だって
「こういう詩を書けちゃうのなら
自分で物語も
創れるんだろうな~」
・・・
「見てみたいな~」
・・・
・・・見る?
それらに目を通す
・・・人に自分の作品を
見てもらえるなんて初めてだ
「・・・う~ん」
・・・なんて言われるんだ
「精神障害者の恋の話や
絶望を書いた歌詞が多いですね?」
体験したことだからね?
そう伝えたら
納得したような顔をしていた
「恋を歌った歌詞が多いのは
なぜ?」
「あり得ないほど
恋をしてきたの?」
・・・
・・・女の子と
・・・つきあった
・・・経験がありません
「・・・え?」
・・・うわぁ
ドン引きされそう
「女の子と
つきあった経験もないのに!
こんな まるで
付き合ったことがあるような
歌詞や物語が書けるの!?
すごい!!」
・・・なんだろう これは
・・・褒められているのか?
・・・けなされているのか?
「つきあおうとは
思わないの?」
・・・え?
そんな事
言われるとは思ってもみなかった
ムリだよ
寝たきりの精神障害者が
とても
生きていけないような収入の
障害基礎年金暮らしの人間が
どうやって女の子と
つきあえって言うの?
「まあ 確かに
体力面でも財力面でも
ムリですよね
・・・良い顔してるのに」
・・・え?
なんとなくコソっと
何かを言ったような?
「じゃあ ファンタジーの世界で
女の子と つきあってみませんか~
例えば 私とか~?」
・・・
「・・・あ、ごめん
私 精神障害者で
義務教育すら
まともに通えなかったから
・・・人との距離感が
・・・わからないんだ
・・・
「・・・ごめんね」
大丈夫だよ
僕と同じだから?
「・・・イエスタデイ」
でも
なんでこんなに
好意的に?
・・・
・・・いや・・まさか
僕に心を開いているのか?
「(相手の好きな話を聞いてあげて
それを肯定して認めてくれて
悲しい想いも受け止めてくれて
その想いを理解してくれて
その悲しみの想いに寄り添って
満足するまで話を聞いてくれる)」
「(まさかイエスタデイさん
これを無意識でやってるのかな?
・・・とんでもない
・・・女たらしだわ
「ま~
これは置いておいて
私の配信に
出演してほしいんですよ~
・・・え?
「人の物語に興味なさそうですけど
私のジェリルストーン編に
出演するために
ストーリーを進めてほしいんですよ~」
・・・えー
「でわ
私と一緒に
ストーリー進めましょうね
ストーリー
どこまで進めてますか~?」
・・・
クリスフェル村を
旅立つところから
「ほぼ
最初の方じゃねえかよ!?」




