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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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89/93

それでも……

詩のような作品です。

緩やかに恋に落ちる時の

柔らかな悲しさ

救われない定めと知りながら

引き返すことのできない切なさ

淡い雪のような指先

懐かしく思い出しても

振り返ってみればそこには何もなくなっていて

すべて夢だったのだと

すべて幻だったのだと

その時になって気づくのでしょう


緩やかに恋に落ちる時の

静けさと儚さ

欲しいものは手に入れられない

涙の粒は夜に溶けて消えた

もう戻ることはできない

もう帰ることはできない

そう思っていたとしても

希望がないわけではないことに

どうか一人でも気づいてほしい

引き返せなくても

宿を探すことはできる

少しだけ眠りに落ちてしまえば

きっと救いの泉に浸れる


悲しみの果てにあるものは

まだ分からない

切なさの海に沈んだものは

まだ見えはしない


それでも……

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