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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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ここには何もない……

詩のような作品です。

悲しいなんて 捨ててしまったわ ずっと前のことよ


わたしにも まだ 悲しみがあった頃も


確かにあったの でももう 思い出すことはできない


どうすれば 思い出せるのか? そんな問いは何の意味も持たない


嬉しいこと 楽しいこと すぐに忘れてしまうけれど


悲しみも 一度捨ててしまえば 二度と感じられないの


ここには何もない……


降りしきる雨の中 思い出そうとしても もう思い出せはしない


そうよ 二度と 取り戻せない


そうね きっと 思い出すことはできない


そのことを そのものを 悲しく思うことすら


できはしないのだと 気づいた時は すべてが無になったわ


わたしは 空っぽで 何も手に入れられない


そう気づいた瞬間の 空白は 言葉にはできない色を持っていた


すべて とうに 終わったの


すべて 通り過ぎ 幕は下りた


ここには何もない……

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