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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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31/43

意地悪な婚約者から解放されたいので心を決めました!~決着は思わぬ形で~

 婚約者ダリュース・ディ・サターズは意地悪な男性だ。

 特に私に対してはいつも嫌がらせをしてくる。

 彼からされてきた嫌なことはたくさんあるけれど、中でも特に不快なのは、出くわすたびに体当たりしてくることだ。


 ……あれはもう本当に厄介の極み。


 ある晩餐会の最中に遭遇してしまった時には、私がグラスを手にしていたにもかかわらず彼は容赦なく体当たりしてきた。

 それによって私の持っていたグラスが飛んでいってしまって。

 中の飲み物はほぼすべて床にこぼれ、グラス本体も割れてしまい、ちょっとした事件になってしまった。


 友人とのランチ中に彼に見つかってしまった時には、椅子に座っていたのに何度も体当たりされ、その結果私のぶつかったテーブルが斜め方向に倒れてしまった。

 テーブルの上にあったもの、その多くが地面に落ちてしまって。

 一緒にいた友人らが持ってきてくれていたサンドイッチやパンなども食べられなくなってしまった。


 ――と、そんな事件は多々あった。


 ダリュースと縁を切らない限り、私には明るい未来はない。


 そう思ったから私は心を決めた。


「あのね、ダリュース、大事な話があるの」

「はぁ?」

「今から話すから聞いてちょうだい」


 彼は不快感を隠さない面持ちで突進してくる。

 読んでいた私はそれをギリギリのところでかわした。


「ぅ、わ、わ、わわ、わ、わわ……」


 すると彼は勢い余って後ろの川の方へと進んでいってしまって。


「うわあああああああああ」


 そのまま川に転落した。


「助けてええええええ」


 ダリュースはそこそこ多い量の水に押し流され行方不明になった。


「……さようなら、ダリュース」


 数日後、彼は亡骸となって下流で発見された。


 その結果彼との婚約はほぼ自動的に破棄となった。


 体当たりばかりしてくる厄介なダリュースから解放されてとても嬉しかった。

 彼からの解放が決まったその日は自宅で一晩中歌って踊った。

 正気は正気だ、でも、周囲から見れば正気ではないような動きをしていただろうな、とは思う。


 ここからまた新しい物語を始めよう。


 今は無限の希望に満ちている。



◆終わり◆

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