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婚約破棄を告げられたのはいつだったか。~生き抜いてきて良かったです~
婚約破棄を告げられたのはいつだったか。
今はもう思い出せない。
ずっと前のことだ。
当時はあんなに悲しかった出来事も、気づけば遠い過去へと溶けていって、今ではもういつのことだったか思い出せないほど遠ざかっている。
あの時、私は、悲しみの海に沈んだ。
生きていればいろんなことがある。誰だってそうだろう。良いことも悪いこともある、それが人生。そういうものだろう。私だってそうだった。嬉しいこと、嫌なこと、色々あったけれど、あの別れの言葉にはそれ以外のどんなものよりも傷ついた。
よく平然とそんなことが言えるわね。
そう言ってやりたいほどに。
あの時の私は傷つき泣いていた。
それでも時は流れ、今では、遠い過去の出来事でしかなくなっている。
……それにね、良かったの。
あの人が私を切り捨ててくれたから夫に出会えた。
そう思えば悲劇も純粋な悲劇ではないでしょう。
一時的には暗闇に突き落とされたとしても、その先に希望があるなら、絶望だって終わりなき絶望ではないでしょう。
生き抜いてきて良かった。
迷わなくて良かった。
命を投げ捨てなくて、本当に、本当に……良かった。
◆終わり◆




