さくっと婚約破棄されてしまいましたが、さくっと幸せになれました。ラッキーでした。
「君は自分が俺に相応しい女だと思っているのか?」
「え……っと、何のお話でしょうか」
ある朝、婚約者である彼セーブィが珍しく訪ねてきたと思ったら、何やら冷たい声を投げられて。
「……あの、何かありましたか?」
ただ戸惑うことしかできないでいると。
「そのような態度を取るのか。分かった。……なら、もういい。君とはここまでだ」
「いきなり何を……」
「君との婚約は破棄する!」
「ええっ」
「これは絶対的な決定事項だ! 婚約は破棄、もう決めた! 譲りはしない!」
一瞬にして切り捨てられてしまった。
「ではな。……さよなら」
言い返すことすら許されず。
平然と切り落とされて。
一度は確かなものとなったはずだった関係は壊されてしまった。
◆
婚約破棄を告げられた翌日、セーブィはこの世を去った。
過去に一時期ストーカー気味になっていた昔親しくしていた女性に夜道で背後から襲われたそうで、何とか走って逃げきったものの安心した瞬間にふらけて転んでしまったらしく、その際の打ち所が悪く落命してしまったのだそうだ。
一方私はというと、婚約破棄された数週間後に知り合った男性と仲良くなり、やがて結婚するに至った。
ちょっとしたことから始まった関係。
でもとても愛おしい関わり。
だから私は彼との縁をこれから先もずっと大事にして生きていくつもりだ。
◆終わり◆




