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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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浮気しておいて自身の罪などまったくなかったかのような表情で婚約破棄宣言をしてくるなんて……どうかと思いますよ。

 浮気していた婚約者ルイーザンにある日突然婚約破棄を告げられた。

 彼はへらへらしながら関係の解消を宣言してきて。

 自身の罪などまったくなかったかのような表情で「あんたはあんたで生きていけばいい、せいぜい頑張れ」などと言われてしまった。


 その日の晩、怒りに包まれていた私の目の前に一人の女神が現れて。


『彼に復讐したいですか?』


 女神はそう問いかけてきた。


「許せない……そういう思いは、あります」

『そうでしょうね』

「ですが復讐できるとは思っていません。私にはそういう才能はありませんので。普通の女でしかない私には復讐する力なんてないですから」

『できますよ』

「えっ……」

『わたくしが力を貸しましょう。貴女が望むのであれば、ですが。どうしますか? 決めるのは貴女自身です』


 女神の目にじっと見つめられていると何だか不思議な感覚になってきて。


 あんなまま終わるのは嫌だ。

 あんな心ないやり方をされたままでいるなんて。


 失礼極まりない雑な扱いをされて黙ってなんていたくない。


 ……そんな思考ばかりが脳内を巡る。


『本心に従うべきです』

「そうですね……恐らく、私は、彼に復讐したいのだと思っています」

『では協力しましょう』

「取引ですか?」

『いいえ、条件は決意だけです』


 女神が片手をこちらへ伸ばせば、その手のひらから虹色の光が溢れ出す――そして私は破壊の女神へと生まれ変わった。


『貴女は貴女のやりたいように生きるのですよ』


 思わぬ形で破壊の女神へと生まれ変わった私は、その身に宿った力を使い、まずはルイーザンとその浮気相手だった女性を燃やし尽くした。


「いやああああ!!」

「やめてくれええええ!!」


 彼らの最期の言葉は恐怖に塗り潰されたようなそんな叫びだった。


 破壊の女神、とはいえ、この世のすべてのものを破壊するために存在しているわけではない。なので私はそれ以上は力を使わなかった。かつて私を傷つけた者たち以外を傷つけることに意味などないから。破壊の力はもう使わない、と、強く決めた。



◆終わり◆

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