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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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143/164

緑の髪を持っていたために婚約者からは良く思われていませんでしたが、今は緑の髪を持っていて良かったと思えています。

 この国においては珍しい緑の髪を持っていたために、婚約者である彼ズアールからはあまり良く思われていなかった。

 彼は婚約者という立場でありながら私に対しての不快感を隠しておらず。

 友人にもたびたび「あの女の髪、変だよな」とか「あんな女と結婚するとか、俺ってちょっと不幸系男子だよな」とか愚痴をこぼしていた。


 そんなズアールはある時一人の女性を連れて私の前に現れて。


「俺、彼女と結婚することにしたから」

「うふふ……ごめんなさいねぇ」

「お前との婚約は破棄とする! じゃあな、永遠にさよなら」

「怨まないでちょうだいね? すべてはあたしの方が魅力的だったから……それだけだから。怨むなら魅力不足だった自分を怨んで。じゃ、今までお疲れさまでした……元婚約者さん」


 二人で好きなだけ嫌みたっぷりな言葉を吐き出してきた。


 ……こうして私と彼の関係は終わった。



 ◆



 あの後少ししてズアールと女性は亡くなった。


 ズアールはある晩路上で不審者に襲われ命を落としたそうだ。

 知り合いでも何でもない相手に刃物で刺されてしまったらしい。


 一方女性はというと、ズアールの死にショックを受け道端で泣いていたところ怪しい男の人に声をかけられ、遊びに行こうという誘いを断ったところ激昂され何度も殴られてしまったそうで――それによって命を落とす、という最期だったそうである。


 ちなみに私はというと。


 婚約破棄された日から一ヶ月ほどが経った頃、街中で偶然視察中の王子に出会い、緑の髪を持っていたために惚れられた。


 そしてそこから彼との関係が始まって。

 いつしか結婚という話まで出てきて。


 信じられないくらいの勢いで話は進み、彼と結ばれた。


 王子の妻となる未来なんて想像していなかった。

 でもいざそこに座ってみれば悪いものでもなくて。


 今はこの場所で生きていきたいと迷いなく思っている。



◆終わり◆

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