平凡な女性だったために婚約破棄された女ですが、その後思わぬ形で飛躍しました!
かつて私には婚約者がいた。
その名はエリクセソン。
しかし彼は私に対してはあまり良い印象を抱いていないようだった。
そんな彼がある日私の家へやって来たと思ったら。
「君との婚約は破棄とするよ」
さらりと告げてきて。
「君のような平凡な女性は僕には相応しくないからね。じゃ、さよなら」
嫌みを吐きつつ、私を切り捨てた。
なぜ今? 元々好きでなかったのだからもっと早く切れば良かったのに。中途半端に婚約期間を引き延ばす意味があったのか? 我慢していた、とか? ……いや、でも、今こうして関係を終わらせることができる人なのならこれまでにでも同じことができたはず。
……なんて、あれこれ考えてしまったけれど、そこに意味などない。
考えることに意味などないのだ。
婚約破棄されたという現実は現実としてただそこにあるだけで。
それ以上でもそれ以下でもないから。
◆
あの後少しして、聖女の力に目覚めた私は、時の人となった。
そして第一王子と結ばれることに。
皆から愛され祝福されながら、あれよあれよという間に国の頂に近い地点に立つ者となった。
ちなみにエリクセソンはというと、自分に相応しい相手を探すもなかなか良い相手が見つからずイラつくあまり酒を大量に飲むようになってしまい、やがて体調を崩し命を落としたそうだ。
◆終わり◆




