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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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共通の好きがある相手と夫婦として生きていけるというのはとても幸せなことです!

「紅茶、飲もうよ」


 生涯を共にする夫婦。

 私の相手になってくれた彼は穏やかな人だった。


「スパイスとか入れてみた」

「す、すぱ……?」

「ちょっとアクセントになるかなって」

「紅茶にスパイス。美味しいかもしれないわね! 若干挑戦的ではあるけれど」


 彼と出会ったのはとある茶葉店。

 当時婚約していた相手に一方的に婚約破棄を告げられて、これからはもう自由に生きていくんだと決意した直後、思わぬ形で出会った。

 その時は彼と結婚するとは思っていなかったので話が進み始めた時は若干戸惑いもあった。けれど、彼のことは嫌いではなかったし彼と過ごす時間は楽しいものだったので、共に生きていくことを決意した。


 現在の穏やかな日常はそうして誕生したのだ。


「味見はしたよ」

「どうだった?」

「悪くなかった」

「なら安心ね!」


 婚約破棄された時は「男の人とか婚約とか結婚とかもう知らない!」と思っていたけれど、彼に出会ってその考えは変わった。


 ある意味、彼は、私を変えてくれた恩人。


「はいどうぞ」

「いただくわ。……あ! これはいいわね、美味しいわ! それに、とっても良い香り!」


 彼は時折工夫した飲食物を渡してくれる。

 そしてそれは大抵美味しい。

 なので彼から出されたものを食べることに関しての不安は一切ない。


 で、今回も、前例通り美味しかった。


「気に入ってもらえた?」

「ええ!」

「なら良かった。スパイスの魅力が伝わればいいな」

「伝わってきたわ! もうすっごく! 凄まじい勢いで!」


 過去の婚約者が私を捨ててくれたから彼と結ばれることができた――そう思う時、すべてに出来事に意味があったのだと理解することができる。


 元婚約者が未来で輝く種を撒いてくれた、とも言えるかもしれない。


「次からもこういうのが飲んでみたいわ!」

「じゃあそうする」

「他の組み合わせとかもあるのかしら」

「うん、一応、アイデアはいくつも」

「それはいいわね! 順番に全部試してみたいわ」

「はずれもあるかもだけど」

「それはそれでいいじゃない? そういうところも含めて楽しいもの!」


 私はこれからも夫と一緒に楽しく暮らしていくつもりだ。



◆終わり◆

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