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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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今日に至るまで色々なことがありましたが、彼と出会えたことはとても幸せなことでしたので、もうそれで十分です。

「今日はさ、伝えたいことがあって来たんだ」

「婚約破棄?」

「いや、そうじゃなくて」

「じゃあ何?」

「いつも君に会いたいよ」

「そう……」


 今の私の婚約者ガーデンは善良な青年だ。

 少しもっちりした体型だけれど。

 そういうところも含めて私は彼を愛しく思っている。


「いつも君に会いたいよ。……それが伝えたいことだったんだ」

「そうなの?」

「うん」

「それはさすがに想定外だわ」

「でも本当なんだ」

「伝えたいこと、って言ったら、大抵婚約破棄でしょう?」

「僕にはそれはないかな」

「そう……」


 ガーデンとならどこまででも行ける。

 根拠はない。

 けれどそんな気がする。


「でも、そういえば、前の婚約者さんには婚約破棄されたって言ってたね」

「そうよ。それも『もっと魅力的な女の人に出会った』とかいう自分勝手を絵に描いたような理由でね」

「それは酷いね……」

「もういいのよ。気にしてないわ。彼とは終わったし、だからこそ貴方に出会えた、それだけで十分だもの」


 過去の不快な出来事に縛られ続けて何になるというのか。

 そこに意味などない。

 そんな状態でいても良いことなどありはしない。

 過ぎ去った悲しみや苦しみは過ぎ去ったものとして受け止めておけばいい。


 ……実際、過ぎ去ったものなのだから。


「出会ってくれてありがとう、ガーデン」

「こちらこそだよ」

「本当に……貴方に出会えて良かった。ここへ来るまで色々なことがあったけれど、貴方と出会えたならそれだけでいい、って、強くそう思うわ」


 理解ある人と、分かり合える人と、共に歩めればそれでいい。


 それこそが幸せだから。

 もう振り返りはしない。



◆終わり◆

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