王子と婚約していた聖女ですが、愛されなくなってしまいました。しかしその後新しい場所で幸せになれました。
私メリアは聖女としてこの国の王子リヴェスと婚約していた。
しかしリヴェスはとある晩餐会でたまたま出会った可愛い系女性ファンシアに惚れてしまって。
その時から彼は婚約者である私に冷たい態度を取るようになった。
たまたま出会った時も視線を向けてさえくれないようなそんな救いようのない状態。
一旦そうなってしまうともうどうしようもない。
正式な婚約者であるとはいえ、私にできることは何一つなかった。
……その果てで。
「君との婚約は破棄させてもらう」
そんな風に宣言されてしまった。
「え……そ、それは、陛下に既に許可を取ってのお話ですか?」
「いやまだ言っていない」
「それではこちらも対応できません! この婚約というのは陛下の意向が重要なものですから……先にそちらに話を通していただかなければ」
何事にも順序というものがある、そこを分かってほしかったのだけれど。
「黙れ! 俺は王子だ、君なんかに口ごたえされる筋合いはない! 俺は偉いんだ。父の次にな。そんな偉大なる存在である俺に対してごちゃごちゃ言い返すとは! 無礼者!」
リヴェスはただ怒るだけで。
「……もういい」
やがて。
「君には幻滅したよ、さよなら」
そんな形で私を切り捨てた。
自分の意思だけで私との婚約を破棄したリヴェスは、見せつけるかのように、早速ファンシアと婚約する。しかしその頃に異変が起こった。というのも、リヴェスやその周囲で不審な出来事が多発するようになったのだ。明らかに私との婚約の破棄が関係しているようなタイミングで不幸が続いた。
やがて国王は病で急に命を落とし、王妃は不審者に襲われ意識が戻らなくなってしまい、王女であるリヴェスの妹も何者かに誘拐されて消息不明となった。
また、当人であるリヴェスも、ファンシアと二人でお酒を楽しんでいたところ酒に何かを入れられ毒殺されてしまい。
自分が王子の婚約者になった途端不幸が連続して起こったという事実に絶望したファンシアは心を病み自ら命を絶つ。
……こうして王家は崩壊した。
ちなみに聖女である私はというと、後に隣国の第二王子と結婚し、幸せな生活環境を手に入れることができた。
隣国へ引っ越す時だけは少し迷いがあったけれど。
いざそちらへ行ってみると快適そのもので。
与えてもらった部屋やそれ以外の環境なども非常に良いものだったため、まるで楽園に引っ越したかのようだった。
◆終わり◆




