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第五話

やばい

何よりやばいのは、橋の上のスライムで逃げ道を塞がれている所だ。


こういう時に後ろを向くのはダメだと聞いた事があるので、狼を見つめ続ける。


狼は威嚇し続ける。めっちゃ怖い。


「八刀さん!あいつだ!俺らを襲ったのは!」


狼を刺激しない様に少し小さめにリーダーが教えてくれる。


狼に向かいながら答える。


「強さは?」

「あの時は俺らも魔術を使えなかったが、それでも一瞬で3分の1がやられた。そこから少し削られて、命からがら逃げ延びた」


俺の使える魔術は火の玉に、水を出すやつ、光を出すやつだ

水を出す奴は使えないだろう。無力過ぎる。


勝てるのか?これ


「狼を刺激します!戦う準備を!」

「分かった!」


何より良いのは戦わずに済む事だ。この世界で妖怪を倒してもレベルアップなんてしない


「光!目を閉じて!」


俺の手の先から放たれた光弾が、俺と狼の中心で爆ぜる。

周囲は光に包まれるが、俺は目を閉じたので無事だ


「グァ!ガルゥ!」


狼も少しは驚いたのか、身を引く。

しかし、逃げるという選択肢は無い様だ。


「ッチ!」


突撃してきた狼の右腕を横に躱す。


鉄パイプを持っていないのが悔やまれるが、目の前にあった狼の左腕を蹴り上げる。


「キャイン!」


俺格闘技とかやってないのに思ったより効いたな


「俺の鉄パイプを!」

「念力魔術で渡す!」


目の前に鉄パイプが飛んでくる。

岩倉さんが運んでくれたのだろう。


体制を立て直した狼の牙が襲ってくる。


すんでの所で鉄パイプを狼の口に挟む。


はぁ?

牙が鉄パイプを貫通した。

あれはもう使えないだろう


しかし、あいつの一番の武器であろう牙は封じれた。


狼を蹴り飛ばそうとするが、思ったより飛ばない。

後ろに飛んで距離をとる。


よし、ここまで離れればフレンドリーファイアは無いな。

皆もそう考えたのだろう。瓦礫が狼目掛けて何個も飛んで来る。


よし!何発か当たった!


「火の玉!」


俺が唯一使える攻撃魔術を使ってトドメを刺そうとする。



ジュ



何が起こった!?

火の玉が消えた。かき消された。

咄嗟に屈めたが、俺の頭の上を何かヤバいものが飛んでいった感覚がある。


つい後ろを見ると、木が斜めに、綺麗に切断されていた。


「これが飛ぶ斬撃って訳か」


また狼が突撃してくると思い身構える。

しかし、狼は後ろの皆に向かって突っ込んだ。


まずい!あっちにはあのスライムがある!


あれに巻き込まれたら全滅だ!


リーダーもそう考えたのだろう、バールを持って狼の突撃を防ごうとする。


しかし、それは叶わなかった。

口に咥えた鉄パイプに胸の辺りを貫かれたのだ。


血が吹き出し、倒れる。

よく見ると鉄パイプの先端が尖っている。

飛ぶ斬撃の影響だろうか


だが、リーダーも仕事をしてくれた。

狼の左腕に最期の最期で一発当ててくれた。


「狼!こっちだ!」


頼む。こっちだ。スライムから離れろ。


よし!来た!


狼は皆を攻撃する事を諦めたのか、俺の方に向かって突撃してくる。


いや、ダメじゃんそれ。やっばい速い死ぬ死ぬ死ぬ!


すると、狼の振るう右腕が不自然な動きを見せ、遅くなる。


なんとか遅くなった腕を掴み、後ろに投げ飛ばす。


「念力魔術!土壇場だったけど行けた!」

「ナイス岩倉さん!武器!」

「はいこれ!」


バールが飛んできて、それを俺はキャッチする。


狼も攻撃を喰らい過ぎてもう満身創痍だ。

起き上がれていない。


コレまで執拗に攻撃を受けてた左腕に対してバールを振り下ろす。


「ギャイン!」

「皆も!」


何人かがバールを持って狼を殴る。


気付くと狼は物言わぬ灰と赤の肉塊になっていた。


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