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第四話

そうこうしている内に荒川に着く。が、橋とかが全体的にスライムみたいな球体で覆われている。


車が何台か投棄されている。恐らくコレのせいで使えなかったのだろう。


周囲を見回すが、他の橋も似たような状況だ。

流石に秋に暖の当ても無いのに川を渡るのは嫌だな

ていうか、東京の方何あれ?スライムで埋もれて見えなくなってるんだけど


「困りましたね」

「どうする?このまま頑張る?」

「危険性が分かってないので突撃は危険だろ」

「う〜ん、それは確かに」

「石投げてみるか」


適当な瓦礫を拾い上げ、物陰に隠れてからスライムに向けて投げる


お、破裂した。結構な威力だな。周りのスライムごと吹き飛んでるし


あれ、爆発で吹き飛ばされたスライムも爆発してる。


やっべ、こっちに飛んできてる。


「逃げますよ!」

「おっけ!」


セーフ!

自転車置いて来ちゃったけど


「あ、すみません。近づき過ぎました」

「ん?まあ八刀さん盗る気は無さそうだしいいよ」

「ありがとうございます」


あ〜体力使った。

今昼頃かな?


「ご飯ありますか?」

「二日分はあるけど、あげないよ?」

「自分もその位ならあるので大丈夫です」


一番腐りが早いのは〜このパンかな?


いただきます。


美味しい。文明の味。

前食べた時より明らかに美味しい。なんで?


「橋見に行きましょうか」

「りょ」


見に来ると、橋の周りに何人か人が居る。軽く怪我してる人も居るが、まあ致命傷では無さそう。

リュックとかバールとか、ある程度の物資もあるな。

あと、俺の自転車無くなってる


「どうしましたか?」


両手を上げながら近づく

30代前半くらいの男性がリーダーなのかな?


「ああ、生存者か。俺らは入間の方に行こうと思ったんだが…まあこの通り橋が崩れててな、何か知らないか?」

「ああ、それは…かくかくしかじか。ついでに情報交換もしましょう」

「成程。それは困ったな…」


まだ紳士的な会話ができそうで良かった。


「魔術って知ってますか?」

「なんだその話…と言いたいが、灰色の狼を見た事があるか?」

「すいません、妖怪はまだ2回しか…」

「妖怪…いい名前だな。俺らもそれを使おう。んで、その灰色の狼が斬撃みたいな物を飛ばして来てな。それのせいで俺らも半分くらい殺された」


そんなのもあるのか


「それは…ご愁傷様です」

「いいんだ、もう生きてる奴の方が少ないだろうしな。んで、それが魔術なのか?」

「貴方達の中で魔術を使える方はいますか?」

「居ない…が、所謂ケモミミが生えてる奴ならいるから呼んで来る。あと、ここでは許可無しに他人に近づき過ぎるのが禁止されてる。注意してくれ」


連れてこられたのは中年の太った男性に、猫のような耳が生えた…まあ見るに耐えない状態の人だった。


「ボキに何か用かナ?」

「魔術については知ってますね?」

「そりゃあもウ。現実にあるとは思ってなかったけド」


やばいもうこの時点でちょっときつい


「使い方教えます」

「ナニ!?ボキ達人間も魔術が使えると言うのカ!?」

「はい。ご覧ください。水」


適当に水を垂らす


「オオ!コレは…成程!やってみるゾ!水!」


成功した。思ったより誰でも使える技術なのかも知れない


「凄いな。信じられん。おい尾宅、みんなに教えて来てくれ」

「リョウカイ!」

「ありがとう。君のおかげで水問題をある程度解決できるかも知れない」


横で見ていたリーダーが話しかけてくる。


「いえいえ、こういう時こそ助け合いですよ」

「そう言えば、君も入間に行くつもりなのか?」

「自分は入間から南下して静岡まで行くつもりです…あと、ちょっと待てください。入間までの同行者を連れてきます」


岩倉さんを呼んでる


「この人です」

「君も入間まで避難か?」

「そう!よろしくね!」

「それで、あのスライムの対処法を考えなければ」


そうだ。忘れてた。あれどうしよう


「取り敢えず一つ北の橋まで移動するか」


到着したが、こっちもさっきのスライムで埋まっている。


「どうしますか?」

「君の話だとあれに衝撃を加えると爆発するんだろ?」

「はい。周りを巻き込みながら」

「困ったな…踏む訳にも行かないし」


う〜む


「師匠!」


む、さっきの猫耳デブ

師匠呼びはキモいからやめてくれ


「皆さんへの魔術の教授完了しましたゾ!」

「どうだった?」

「一人を除いて全員使えましタゾ!あとはリーダーだけですゾ!」

「分かった。すまん八刀さん、考えておいてくれ」


リーダーは少し離れていった。


「岩倉さん、皆の魔術はどうだった?」

「みんないい感じだったのと、めっちゃいい魔術あったよ!」

「どんなのだ?」

「念力魔術!」

「ほう」

「見ててね!」


岩倉さんが石を拾い上げ、手の上に置く。

そして、その石がゆったりと浮き始める。


「おお〜」

「もちょっと早くする事もできるよ!」

「こりゃ便利だ」

「グルルル!ワォォォン!」


知らない声だ。後ろから。

振り向くと、そこには灰色の狼がいた。


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