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ボクは星の子。

作者: 雪鐘

 流星群の夜、星達は空に堕ちる。

地上からの願いを受けて、願いの叶う場所へ届ける。

それが、ボク達の仕事だ。


「今日も沢山願いが来てる。人間はすごいなぁ」


『恋人が欲しい』

『病気を治して』

『世界平和』

 どれもこれも地上の人間が宇宙(そら)を走るボクに向けて願ったものだ。

人間は欲深い。

毎度願いを持って運んでいるけど、その量は尋常じゃない。


「さーて、集まった願いを届けないとね。まずは…恋人が欲しい?」


 これは誰でもいいように言ってるけど、そんな訳がない。

3丁目の花屋の女性と恋人関係になりたいって、毎晩空を照らすボクにはわかるんだから。


「でも残念。先日彼氏が出来たばかりだよ。……まあ、願いは届けるけどね」


 花屋から少し離れた家、窓は閉まってるけど部屋の電気がついてる。

おやおや、彼氏と幸せにでも浸ってるのかな?

まあいいや、星のボクには関係ないからね。

願いの欠片を部屋の中に放り投げて次の願いを届けに行こう。

 次の願いは『病気を治して』

可哀想に。

キミのそれは治るような病気じゃないよ。

せいぜい死ぬまで幸せに暮らすといい。

叶えられる場所は…そうだな、ケアとかもできる大きな病院にその存在を伝えておくよ。


「最後は…『世界平和』…?」


 はっ、どの口が言うんだか。

毎日思想がどうたら差別がどうたら言ってるのに、自分がそれを言うのかい?

それならもっと現実や世論というものを知ったほうがいい。

全てを受け入れる寛大な心でないといつまでも世界な平和になんてならないさ。

それこそ、万物を知るボク達『流星』くらいでないと…ね。


「この願いは叶えられない。砕いてしまおう」


 握りつぶすと、願いは雲に吸収され大きな雨雲に変わった。

大きな災害が起こればほら、皆心配をして心が一つになるだろう?




 願いを配り、宇宙に(かえ)る。

するといくつもの同胞が(またた)いて、ボクを呼ぶんだ。


「おい、今日の願いはどうだった?」

「お疲れ。なんてことない、いつも通りの願いばかりだったよ。また暫くは観察の日々だね」

「そもそもオレたちの速度で願いを3回言えるやつの少なさな。寧ろ言えるやつがすごいのか」

「一回だけでも話くらいは聞いてるけどね」

「まじかよ。律儀なやつ」


 これがボクらの日常だ。

宇宙から見下ろし、流星の日に届く願いを叶えるべき場所へ届ける。

ボクらはこれを何十万、何百万年と続けてきた。

 次は8年先の願いだ。

さあ、どんな願いが届けられるのやら。

ボクは空に輝きながら永い眠りにつく。


「……願いなんて、クソでしょ」


 声が聞こえた。

ボクの眠りを妨げられるような、やけに大きな声だった。

何が起こったのかと目を開ける。

でも何も可笑しいものはない。

ボクは宇宙にいて、周りの皆もその時まで眠っている。

一体ボクは何に起こされたのだろう?


「星に願いをかけたって、叶うはずがないじゃない。夢は寝て見たらどう?」


 気の所為なんかじゃない。

また同じ声が聞こえた。

これは…地上からだ。


「どこのどいつだ?ボクの眠りを覚まさせるなんて…」


 地上を見下ろす。

するとまっすぐにボクを見る女の子が居た。

間違いない、彼女だ。

呆れた。

仕事を終えて休んでるボクを起こすなんて、無茶苦茶してくれる。


「……仕方ないな…」


 ボクは地上に向かうことにした。

月の許可を貰って仕事に使うルートを通って、地球に降り立つ。

大きな建物の頂上、空をじっと見上げる少女が目の前に背を向けて立っている。


「星に文句を言われましても。キミの願い、叶えてあげるよ?」

「…!?誰、あんた…!」


 ボクによって突然話しかけられた女の子は振り向くなり思い切り警戒するように睨んできた。

全く、なんて我儘なヤツなんだか。


「ボク?星。上を見てごらんよ、君がさっきまで見つめてた星が消えてるでしょ?」


 上を指さして自分の正体を素直に話す。

しかし少女は眉間にシワを寄せ、張るような声を上げた。


「はぁ?星なんてごまんと居るじゃない。ふざけたこと言ってないで、あんたが何物で、どうやってここに来たのかを言いなさいよ」

「言ってるじゃん、星だって!さっきまでじっとボクを見て起こしたくせにしらばっくれるのかい?そりゃないよ!ボクは少なくともあと5年寝なきゃならないのに!」

「は?何言ってんのコイツ。なんかキメてんの…?ヤバ…」


 明らかに怪しいものを見る目をされている。

直に人間と触れ合うのは初めてだけど、いくらなんでも身勝手過ぎないだろうか。

毎日毎度何かしらの願いをかけてきては叶えられるものは叶えてやってるのに、こんな時には邪険にするのかい?

大体なんでこんな奴らの願いを叶えてやらないといけないんだ。


「別に、信じてくれるなんて思ってないし。

 でも人の仕事にケチつけるのだけはやめてくれない?こっちだってそういう使命だから仕事してるだけなのに、やれ『願いは叶わない』とか『夢は寝て言え』だとか…言われるこっちの身にもなってくれっての。

 こっちが気持ちなんてもの無しに仕事してるだけなのに、そんなこと言われたら誰がキミ達人間なんかの願いを叶えてやるかってなるんだよね。何のためにボク達星があの場所で煌めいてるか分かるかい?今すぐにでも星の瞬きを全て消してやろうか?」

「……き、消えたら…どうなるってのよ!」


 少女は睨んだようにボクを見る。

こういうのは、実際見せたほうが早いんだろうな。

ボクはお月様に視線を向けて大きく頷く。

すると月も一瞬ちかりと光って、ボクは手を上げて指を鳴らした。


「うわっ…!?わっ!?」


 星の瞬きは全て消え、月すらも消えて空は黒一色に変わる。

地上から指す光、同時に輝きを消していなかったボク本来の光だけが景色に残った。


「気付かない?宇宙(そら)の輝きはキミ達地球に住まう生命の"希望"なんだよ。完全な闇ではキミ達は未来に、明日にさえも何かを託せない。ボク達星はキミ達の未来を支える、乾きを癒やす、それこそ希望なんだ。この意味が分かるかい?」


 ボクはもう一度指を鳴らす。

星は、月は、空は光を取り戻し、驚き不安の表情を見せていた少女は小さく安堵の息を漏らした。


「太古より、生き物にとって光のない夜は恐怖でしかなかった。昔は皆願っていたよ『怖い夜が早く終わりますように』って。でも今は、特に人間達は慣れてきたね。街に光があるから、誰かが必ず起きているから、夜は怖くないんだって。

 でもね、虚勢だよ。結局こうして光を失ってしまえばキミのように皆が不安を覚え、恐怖の夜を迎える。どう?ボク達について、少し分かったかな?」

「わっ、わかった!分かった…けど…」

「……水瀬陽鞠(みなせひまり)

「…!私の、名前…」

「ボク達は皆で皆のことを見てるからね。じゃないと叶えられる願いは叶えられないでしょ?

 ねえ陽鞠、キミの願いを教えてよ!」



 それこそ星の輝きのように笑う少年と出会った。

名前は知らない。

最初は何だこいつ、と思ったのに…全てを黒く染めた夜、私はその存在を信じざるを得なかった。

男の子は言う。

「キミの願いを教えて」と。

でも、私は本当に願いなんて持ってなかった。

 私の両親は仲が悪い。

だけど私はその環境を可哀想だと思ったことはない。

自分が自分でいられる場所があれば十分だ。

 私の友人は殆どいない。

だけど私はその環境を不遇だと思ったことはない。

私を理解してくれる友人なんて一人でも居てくれるならそれで十分だ。

 私は頭が悪くて飲み込みが悪い。

だけど私はその環境を呪った思ったことはない。

私は私のやり方で精一杯生きる。

それを邪魔されるくらいなら、死んだほうがマシだ。

 そうやって生きてきた。

でも…。


「邪魔されちゃったんでしょ?死ぬの?」

「……そう思ってあの日、あの場所に居たんだけど?」


 そう、邪魔されてしまった。

あの星のように明るい笑顔を見せる、この少年に。


「っていうかなんで学校まで付いてきてんの!この変態!不法侵入!」

「えっ、ひどい。キミの願いを叶えるって言ったじゃん!何でもいいよ?両親を仲直りさせる?それとも離婚させる?あ、友人の裏切りの方が深刻かな!助けてあげようか?」

「そういうのは要らないって言ってるでしょ!私以外にも困ってる人はいくらでも居るのに、私だけ助けてもらうのは不公平でしょ?」


 男の子はつまらなそうに唇を尖らせる。

まるで自分の力を使ってくれないことを拗ねてるみたいだ。

困ったな、どうでもいいお願いで帰ってもらうのもアリだろうか。


「今適当にお願いしたら僕が満足して帰ると思ってるでしょ?」

「うっ…」

「そんなんじゃ帰らないからね、ボクは」

「……はい」


 それから毎日つきまとわれている。

私はつまらない生活を続けていた。

毎日喧嘩する両親はヒートアップして暴力沙汰。

とばっちりを受け、頬が腫れた。

『傷、治してあげようか?』

期待の目で男の子は言うけど、絶対やだ。

 仲良しだと思ってた友人に裏切られてから虐められている。

悪評を広められ、クラスの空気は悪くなっていく。

肩身が狭かったけど、男の子は言う。

『いじめの全部、今すぐにでも終えられるよ』

 恐ろしい囁き声だ。

果てには『君が過ごしやすい環境の場所まで連れて行ってあげようか?』なんて言ってくる。


「そんなのチートじゃん…」

「そんなこと言ったらボクらの存在自体がチートだね」


 男の子は笑った。

でも私は…絶対にどれもお願いしたくなんてなかった。

どれだけ現実が悪化の一途を辿っても、お願いしたくない。

どれだけ現実が息苦しくても、頼みたくない。

どれだけ私が平和に生きられなくても…私は…。


「死んだら、もうお願いできないんだよ?」

「そんなの知ってるよ」


 気付けば、またあのビルの上にいる。

ビルの屋上で車がよく通る大通りを見ている。


「死んでも、星にはなれないよ?」

「当たり前でしょ。そんな御伽(おとぎ)話信じてないから」


 私は…押し潰されていた。

未来に希望を見出だせない。

命を絶ったほうがラクだ。

そんな頭に塗り潰されていた。

明日には見えなくなりそうな月の見える星空の夜、屋上の手摺りから地面を見下ろす私の背後で君は言う。


「……ボクさ、思ったことがあるんだ」

「何よ突然…」

「人間ってつまらない存在だと思ってた。願い事は言うだけ達者で、年々生きることに命を燃やさない願いばかりが溢れてく。生きることよりも欲ばかりの、命をお粗末にするような奴らだと思ってた」

「随分と酷い評価ね」

「何万年生きてると思ってるのさ。……でも、短い人生の中なら…確かに自分の理想を求めて藻掻く姿は…嫌いじゃなかった。少なくとも、長い人生を寝て過ごすボクらとは違う。キミ達は輝かないけど、その追い求める姿は輝いてるんだと思う」


 星なりに、私の自殺を引き留めようとしているのだろうか。

随分とおこがましい星だ。

噴き出すように笑ってしまって、多分私は冷え切った目で君を見たと思う。


「……だから、何?」

「楽しかったよ。キミから願いは聞けなかったけど、ボクもそろそろ上に帰って寝ないと」

「……もう、帰るの?」


 男の子の言葉につい思ったことが漏れて、口を塞ぐ。

私、この子に何を期待してたの?

居なくなるのが寂しいなんて、居なくなったらもっと生きられないなんて、どうして今、一瞬でも思ったの?


「……言ったでしょ、ボク達は希望だって。明日は新月だから、ごめんね。ボク、今日のうちに帰らなきゃ。楽しかったよ。ありがとう」

「……いつまでも自分本位ね、あんたって」

「そうかも。でも、上から見てただけでどんな生き物がどんな気持ちで生きてるかなんて知らなかったんだ。生きる意味を履き違えてた。それは…ボクが悪いのかな?」


 私は何も答えられなかった。

だって、星の生き方なんて…私には分からないから。


「星もさ、死ぬんだよ。力尽きて、空に堕ちて、温度を上げて爆発するんだ。そしたら黒い穴を開けて消えるんだよ。君も…堕ちるんでしょ?」


 私はもう一度下を覗く。

そうか、私も…落ちるのか。

星と同じ。


「……ねえ、あんたさ…わたしの願い…何でも聞いてくれるの?」

「うん。流れ星には3回のお願いで聞いてあげるけど…今回は特別に、一度の願いで聞いてあげる」

「じゃあさ、私の願い…叶えてよ」


 私は全身に力を入れた。

柵を超えて、目の前に広がる景色を見つめる。

世界は宇宙の星の輝に比べれば汚い。

何も目にしたくない。

でも…この出会いは、大切にしたい。

全身を前に倒して、私は真っ逆さまに堕ちていく。


「私…死にたくない!もっと幸せな生き方をしたい!お願い、『私を生かして』!!」


落ちてる中、私は叫んだ。

全身全霊で自分の人生を呪いながら。

高いビルとはいえ、地面が近づいてる。

ごめんなさい、死ぬの…怖い。


「分かった。キミの願いを叶えよう」


 耳元に囁くような声が聞こえて、私の体はふわりと軽くなった。

真っ直ぐに道路に向けて落ちていた体はゆっくりと落ちていく。

見上げれば男の子が私の手を握って、そのまま誰もいない路上に降ろされた。


「……ね、言ったでしょ。願いを叶えるって。大丈夫、ボクが帰る頃には全部生まれ変わったように違う世界が待ってるよ」


 助けてくれた男の子はにこりと星のような輝く笑顔を見せる。

その姿に助けてくれた事と試す形になってしまった事に自然と涙が湧いた。


「人間って案外泣き虫だなぁ。悔しかったり、悲しかったりすると泣くよね。それが感情なの?」

「し、仕方ないじゃん…出ちゃうんだから…」

「……ねえ、最後のお別れ。ボクも…キミにお願いしてもいい?」

「私、あんたみたいに何でも叶える力ないよ…」

「今のはボクが叶えたけどさ、本来は届けるだけの仕事だよ。それで、お願いなんだけど…」


 男の子は話しづらいのか、キョロキョロと挙動不審だ。

そして空を見上げて、小さく「もう行かなきゃ」と呟く。


「えっ!?」

「……ばいばい、楽しかったよ。眠気覚ましには丁度良かった」

「まっ、待ってよ!願いは!?」


 男の子の体は光り輝く。

本当に、今すぐ帰るつもりらしい。


「人間はさ、ものに名前をつけてるよね。それが…少しだけ羨ましいと思っただけ」

「う、羨ましいって…!」


 体はゆっくりと浮いて、人の体は光に包まれて大きな球体に変わった。

小さな、月みたいだ。


「僕はずっと宇宙から見てるからさ、陽鞠も僕だけを見ててね。5年後の流星群の日、3回願いを言えたら…叶えてあげる。じゃあね!」


 星は空へ異常な速度で打ち上がっていく。

突然現れてあっという間に消えていく。

なんて自分勝手なやつだ。


「……(ステラ)!!あんたの名前!!私、ステラ(あんた)の名前、忘れないから!!」


 星は打ち上げ花火よりも高く上がってみるみる小さくなっていく。

しっかりと見届けているけど星屑の中に消えていく頃には小さくなって、どれがどれだか分からなくなってしまった。


「星が……多すぎるよ…ッ!」


 そのまま泣き崩れて、項垂れる。

星は希望。

今目の前の希望を失って、何が希望なんだろう。

私にとっての希望は……ステラとの楽しかった日々だ。

どうして今更、ずっと邪険にしてたこと、後悔してるんだろう。

星に名前をつけたこと、忘れずに生きよう。




 両親の仲は良くなった。

原因がどうだとか、何がどう拗れていたのかは分からない。

でも噛み合わなかった歯車が油を刺して滑らかに動くように回っている。

そのきっかけは、私が投身自殺を図ったから。

それでよかったのかな?

でも家族は、お父さんとお母さんは私をしっかりと見てくれるようになった。

ごめんねって言われて、家族は円滑に進むようになった。

 友人には謝罪された。

私が星に願いをかけても叶わないって言ったのが問題だったらしい。

しょうもない事でここまですることじゃなかったって…それはそうなんだけど、私が原因なのは明らかだ。

だから私も謝った。

今は星に願いをすること、悪いとは思わないよ。

 ステラが言う通り、世界は別物のように変わっていた。

お願いした通り、これから平和な日常が始まるんだなぁ。

私は毎晩空を見上げるようになっていた。

今日もこの空のどこかで、ステラは私を見ているのだろうか。


「あ、今あの星光った」

「星なんてどれも光ってるよ」


 あれがステラかな。

そう思ってたら隣の友人はくすくすと笑う。

5年後…5年後かぁ。……私、まだ高校生だ。

次の流星群、私何を願おう。




***

「おーっす。おはよう。お前、しばらくどっか消えてなかった?」

「え?気のせいだよ。それよりそろそろ仕事の期間だね。どんな願い事が届くかな?」

「毎度飽き飽きするような願い事来るからなぁ。ふわぁーあ」

「そう?ボクは楽しみだよ」


 宇宙に還ったボクは今日も地上を見下ろす。

人はいつも同じばかりの行動をしている。

それはボクが地上で遊ぶ前も後も同じで変わらない。

 ボクは今日も願い事を運ぶ。

宇宙を堕ちて、届いた願いを叶えてもらう。


「さて、今日の願い事は何かな?」


『恋人が欲しい』

『明日天気になあれ』

『地球滅べ』

 ……恋人の人は……ああ、前回もそうだったね。やっぱりあの人はだめだったか。

次はどうせ隣町のカフェ店員でしょ?どうせ叶わない恋だってわかってるのに、なんで手を出すのかな?

そもそも未だに彼女ができないのは……これ以上は可哀想だから言わないでおこう。

 明日の天気は天気予報へどうぞ。ボクよりも確実だよ。

……そうじゃないか。

予報の雨が嫌だから、ボクに頼むんだもんね。

 地球なんて願い一つで滅んでたらとっくの昔になくなってます。

これは叶わない願いだからさっきの願いを叶えてあげようね。

ボクは大きな雨雲に世界崩壊の願いを砕いてかけた。

大きな雨雲は分散して消えてしまった。

これで明日はいい天気になるだろう、よかったね。

 さて、これで終わりかな……おや?

願い、まだあった。

これは……

『ステラに会いたい』


「……僕じゃないと叶えられない願いだ。……ありがと」


ボクは星の子。

ボクは今日も、宇宙を堕ちる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 童話の様な優しさや世界観の中で、現代風な会話で進んで行く物語が心地よかったです。 優しくてとても素敵。心が温まる様な物語でした。 ありがとうございます。 磨糠 羽丹王(まぬか はにお)…
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