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夢日記  作者: kinoppy
1/1

1日目

気がついた時には観覧車に乗っていた。


おそらく夕暮れ時で、辺りはオレンジ色に染められており、

「あぁ、たしかこういう時間を黄昏時なんて言うんだな」などと考えていた。


「わたし……」


向かいの席から声がした。


「わたし、観覧車って意味わからなくて嫌いなのよね」


向かいの席で窓に頬杖をついた格好の少女は続ける。


「ゆっくり回って、ただただ回って。だからなに?」


意外なほどに怒気を孕んだ声色に面を食らった。

なにもそこまで怒ることもないだろう。

おそらく独り言ではなく、こちらに聞かせているようだから返答することとした。


「名前のとおりだろ。"観覧"車なんだから。観覧する分には遊具自体に刺激はいらないだろ」


ギロッとこちらに目線をくれた気もするがどうにも曖昧だ。

たかだか1m少々の距離でここまで顔も見れないほどか。



「そういうことじゃなくて、地に足つけずに生きていけないというか」


「ら、ラピュタ?」


「……そういうくだりもあったけど今はそのままの意味」




そう彼女が言った瞬間に場面転換したかのように景色が変わる。

真っ黒の空間。

認識できるものは二つ。


膝を着いた自分の目線にある裸足の指先。

すぐそばで倒れている椅子。


頭上から声がする。


「地に足がついていないから生きて行けないのか、生きていけないから足が離れてしまったのか」




ここで目が覚めた。

夢見の悪い私の記念すべき夢日記1日目だ。



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