橘光の高校生活。
「あっつい…」
橘 光。高校2年。
高校生活なんて特別なことなんてないと悟った17才。
入学前は、JK(女子高校生)という最強の肩書を引き下げ、同じクラスの彼氏ができ、きらきらとした高校生活を送るだろうと思っていた。
しかし、現実は、特に何もない…。
2年の夏休み最終日。前期の自分の高校生活を振り返る。
黒板の文字を書き写し、休み時間にはクラスメイトと軽く会話をし、昼には可愛いとは言えない自作の弁当を食べ、下校の時間まで時々睡魔に負けながら椅子に座り授業を受ける。そして、学校から徒歩15分ほどの家に住む私は、放課後一人黙々と帰るのだ。
私の高校生活なんて所詮その繰り返し。
その生活を無理に変えようとも思わない。
「明日から学校とか本当か?前期の自分よ…、君はどのように1日6時間も授業を受けていたんだい?」
小学生の頃から幾度となく経験してきたこの感覚は、高校生になっても消えない。
退屈な日々の繰り返しが、また、始まった。
新学期が始まり2日。
今日の帰り道は少し例外である。新学期に必要な参考書を買いに本屋へ寄るのだ。
目当ての参考書を無事に手に取り、せっかく来たのだからと用もなくぶらぶらと店内を回る。
「少女漫画ねぇ…」
全くの無縁である。
表紙にいる制服を着ている高校生の男女2人。
「(どうせ、最初は仲の良くない2人が、高校生活を通し、紆余曲折しながら最後は結ばれるやつだな)」
と、少女漫画なんて一度も読んだことないくせに、分かり切った態度で、それを棚に戻す。
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ここで!高校入学を控えているJC(女子中学生)に教えてあげよう!
高校には、ちょっと意地悪だけど不意に優しい隣の席のイケメンも、高校で急にそっけない態度になったと思えば自分に恋心を抱いてくる幼馴染の彼も、ましては、いつも明るく生徒からの支持も厚い30手前の男性教師もいないということを!!
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人生一度の高校生活。正直そりゃ彼氏は欲しい。でも、成り行きで彼氏を作るのは違う。
毎日来る連絡。他の男子と楽しそうに話せば損ねられる機嫌。
別れた場合を考えてみろ、、この先の高校生活、ずっと「気まずい」を背負って過ごすのか?特に、同じクラスや同じ部活内で付き合うことは危険である。
これらの知恵はすべて、友達、中原 利依を見て学んだ。
そう、決して実体験ではない。
……………。
まぁ、何が言いたいかと言うと、高校生活、すぐに彼氏ができるわけでもないし、彼氏ができたところでめんどくさいし(だからいたことないだろ)、そもそも好みの男子がいな
「いた」