表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/284

第7話 魔物襲来


〇<ナント>【会社員】志波 蓮二


入り口に目を向けると。1メートルもない背丈に禿頭の醜悪な顔

で手には粗末なこん棒や、ボロボロのナイフのような物を持った魔物?が合計10匹。

 その後ろには2メートル近い背丈に豚ヅラ。手にはボロボロの鉈の様なものを持っている魔物?が1匹。


俺は花蓮を後ろに隠しつつ【愚者の叡智】を起動。あの魔物について質問するとすぐさま返答が返ってきた。


◆◆

〇ゴブリン 

種族ランク:H

ランク1モンスター。力は弱く知能もせいぜい赤子程度。生態系の中では最下層と言ってもいいほどに弱いが、繁殖力が強く『ゴブリンを一匹見たらその10倍はいる』とまで言われるほど。

集団で行動し群れを成すと上位の個体に進化する場合が多いので、見つけたらすかさず駆逐することが望ましい。 

 

◆◆

〇オーク

種族ランク:F


ランク2モンスター。力はあるが、知能はせいぜい幼児程度。生態系の中では下層に属する。

繁殖力が強く、他種族のメスを見ると巣へと連れ去り、繁殖のための苗床とするため。

見つけたらすかさず駆逐することが望ましい。


◆◆


種族ランク?・・・それにモンスターランク?またわけのわからんもんが出てきたな?

とりあえずそれも教えてくれ。


◆◆

〇種族ランク 

Hを最下級とし、Gから最高Sまで存在する。

Sランクはその種族の最高位として、桁違いの力を持つ。


◆◆

〇モンスターランク

そのモンスターの脅威度を数値化したもの。大まかな基準は以下のようになります。


ランク1:一定の年齢に達したなら子供でも対処可能。


ランク2:戦闘系のジョブに就いてある程度の経験を積めば対処可能。


ランク3:戦闘系のジョブについて合計レベル50以上が推奨のライン。


ランク4:戦闘系のジョブで合計レベル100~150以上を推奨。


ランク5:戦闘系のジョブの合計レベル200~300以上が推奨ライン。


ランク6:戦闘系のジョブの合計レベル300~350以上が推奨ライン。


ランク7:戦闘系のジョブの合計レベル400以上が推奨ライン。


ランク8以上:最低でも500。そもそもソロでの討伐は非推奨。最低でもパーティー単位で討伐に当たるのが望ましい。


(なおこの基準はあくまで単体での基準であるため。参考程度でお願いします。当然ですが、レベルだけでなく相性や戦闘センスも重要なファクターです)


◆◆


説明を聞く限りランク1だけならともかく、現状ではランク2は厳しいな。

後ろには花蓮もいるんだ。裏口から脱出がベストだろう。


花蓮以外がどうなろうが自己責任だが。死なれても後味が悪い。声くらいは掛けとくべきだな。


 そう1秒で打算して声を張り上げる。


「こいつらはおそらく今朝のニュースで報道していたモンスターだ。裏口から逃げるぞ」


「きゃっ」


そして花蓮の手を引き裏口に全力疾走する。入口に付着した血糊をみて小さく悲鳴を上げるが、此処にいたら同じ末路だ。多少の乱暴はご容赦願おう。


最初は戸惑っていた他の客も入口の自動ドアに飛び散った血糊と横たわる死体を見てドッキリの類ではないと察したようだ。現金なもので他者を押しのけて我先にと裏口に殺到している。醜いモンだねぇ~人間って奴は。まぁ俺も同じ穴のムジナにすぎんがね。俺を押しのけようと邪魔する連中から花蓮を守りながら出口へと急いだ。


「れ、レンジ君」


不安を宿した目で花蓮が俺を見てくるが、生憎とこちらには返事をする余裕がない。文句は生き残れたら聞いてやるよ。


運がいいことに、このスーパーの裏口は生鮮食品加工場とつながっている。

換気もかねて常に開いている上に。搬入のトラック等も入るため。ある程度の人数が殺到しても余裕があるくらいには大きく広い。


逃げ遅れた人の悲鳴が聞こえたような気がした。しかし薄情と言われようが所詮は他人の命に過ぎん。多少の知り合いである花蓮の命が優先だ。・・・・・俺の立場的にもな。


俺は脇目も振らずに裏口に突っ込んだ。 しかしそこには最悪の光景があった。


「Gugya!」「GUGUGYA」「GYAGYA」「GYAGYAGYO」


4匹のゴブリンが嬉しそうに数人の血塗れの死体の前に集まり、その体を貪っていた。


生理的な嫌悪感が湧き上がり。口に酸っぱい味が広がってくるが何とか堪える。


後ろにはオークとゴブリン10匹。前はゴブリン4匹。ならば前に進む方が勝機はある。


 俺は貫手の構えを取り。ゴブリンに飛び掛かった。


 最初の獲物は食事に夢中で後ろを向いているゴブリン。背後から無防備な首に左手で突きを叩きこむ。指が生温かい感触をとらえたと思ったと同時に獲物の首を貫通する。生き物を殺した嫌悪感が湧くが即座にそれを抑え込む。ガキの頃からの鍛錬で


左手で殺したゴブリンの棍棒をつかむと同時に右手をゴブリンの首に向けて伸ばし首をへし折る。

やはりテキストにあった『一定の年齢の子供でも対処可能』なら俺でも対処できる。


棍棒を残り2匹となったゴブリンの頭部に向けて連続で叩きつける。


「GI!」「GYAGYO」


頭部が破裂した音と不快な断末魔を響かせゴブリンは絶命した。ここまでにおよそ60秒。


後ろから迫った脅威があるため、安堵する暇もない。


「い、痛い。お願い、髪を引っ張らないでっ!」


声を掛けようとした矢先。背後から花蓮の悲鳴が聞こえたため、慌てて振り返る。すると3匹のゴブリンが花蓮を抑え込んでいた。


目の前が真っ赤になり、まな板の上に置いてあった魚を解体するための出刃包丁2本を手に取り3匹のゴブリンに斬りかかる。




3匹の頸の急所に包丁を突き入れて即座に絶命させる。しかし、俺のヒーロー劇はどうやらここまでのようだ。


ついにオークとゴブリンに追いつかれてしまった。


テキストを信じるならオーク1匹でも厳しいのに。仲間を殺されて怒り心頭の複数のゴブリンにオークを同時に相手取るのはどう考えても無理ゲーだ。 


先ほどのゴブリンも簡単に殺せたようだが、実際は油断していた隙を突いたのと幸運が味方しただけに過ぎない。


正直に言って花蓮を見捨てれば俺が助かる可能性は高い。これが見ず知らずの他人であれば俺は平然と切り捨てる。入院中の母のためなら赤の他人を切り捨てる位はなんてことない。


だが厄介なことに花蓮となると話は別だ。花蓮は世界中で人気を博しているスーパーモデル。その知名度と影響力は下手な有名人など歯牙にも掛けないインフルエンサー。


 


一般人を見捨てたところで「怖くなって無我夢中で逃げた」「パニックになっていたので周りのことなど見ている余裕はなかった」で十分押し通す事が出来る(ネットなどで識者ぶって賢しい発言をする、恐怖を知らない馬鹿はいるだろうがな)。

 

(すでに死傷者が100人なんてニュースが流れている。マスコミも、逃げる行為に対してそこまで非難はしないだろう)


しかし、ここでは花蓮の知名度が問題になってくる。 日本だけじゃなく海外の映画業界からもお呼びの声が掛かっていると噂のある。世界の【KAREN】を見捨てた、などと報じられた日には俺の人生は間違い無く詰む。 


言動などの録音はされていないと思う。しかし、今も防犯カメラにバッチリと撮られている。俺が花蓮を見捨てて逃げ出した画像がネットやメディアで拡散されたら、目も当てられない。


まず間違いなく「女を平然と見捨てる屑」「自分さえ助かればいい、自己中の卑怯モブ野郎」「こいつが死ねばよかったんだよ!モブ一匹死のうが実質被害ゼロじゃんwww」


 ネットは大炎上して非難の嵐が吹き荒れるだろう。


簡単に想像できる嫌な光景に顔をしかめそうになる。


(胸クソ悪い光景が目に浮かぶぜ。危険に晒されたことの無い連中ほど好き勝手いうもんだからな。・・・・・花蓮を見捨てるのは後のことまで考えるならば論外だ)


 画像さえ有れば俺の身元を特定するのは難しくない。確実に正義ヅラした屑共が花蓮を見捨てた者を捜し出すはずだ。そうなれば待っているのはどの道地獄。


(俺の身内はもう母だけだ・・・最悪、母まで誹謗中傷に晒される)


犯罪者の身内に対する世間の風はどのような時代でも冷たい(緊急事態なので犯罪でもなんでもないがね)。


「花蓮、俺が足止めするからさっさと逃げろっ」


俺の言葉に驚愕の表情を浮かべ、その後に絶望した表情をした。花蓮ほ頭の回転が速い、この場に残ることの意味───俺が囮になることを正確に察したんだろう。


「で、でもっ」


立ち止まって動こうとしない花蓮に怒声を飛ばす。


「うるせーっ! さっさと行け。このまま二人ともくたばるよりはマシだろ?・・・・もし怪我して会社を休む状況になったらフォロ~を頼むぞ?」


口調こそ軽いが俺の覚悟を感じ取ったのか。花蓮は頷くと顔を涙でクシャクシャにして、全力で裏口に向かって走っていく。


それに便乗するように我先に裏口に走っていく様子をうかがっていた(他の客)ども。


(俺が勝手にしていることだが一言、礼くらいは言えねーのかよ?・・・・テメーらなんぞ花蓮さえいなきゃ切り捨ててんだよ。ペッ!)


 豚さんたちから目を離さずに内心で吐き捨てる。


しっかし、俺が人のために自分の身を危険に晒すとはな。想定さえしなかった有り得ないことに。思わず苦笑が漏れてしまう。


「自分がどんな人間かは窮地に立たされた時に初めてわかる・・・ねぇ~」


親父の口癖のひとつを口ずさみながら。両手に包丁を構える。


こうして生存の可能性皆無の無理ゲー(絶望的な戦い)がスタートした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 被害妄想強すぎ自意識過剰マンですね
[気になる点] ヒロイン一人助けるのに醜聞を気にするのかよ いやリアリストと言えばそうなんだろうけど、炎上の可能性なければ見捨ててたのはちょっと… そこは嘘でも昔からの知り合いを見捨てるのはさすがに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ