第33話 天魔への進化と上級職
〇宿屋・精霊の憩い【暗黒騎士】シレン
あの後、道具屋で聖水を購入。自分に呪いをかけて解呪のサイクルを繰り返し。暗黒騎士の条件を達成した。
自宅にログアウトして転職。またファーチェスに戻る――なんとも忙しない行動をする羽目になった。
転職してから、まだレベルが上がっていないので。急激な変化は無いが、その点は問題じゃない。
ギルドの情報では【暗黒騎士】は武器と暗黒魔法を使いこなし。ステータスの伸びしろも、敏捷がやや低い程度でかなりの上昇が見込めるようだ。呪術も暗黒魔法に統合されたが問題無く使用出来た。明日になれば嫌でもレベルは上がるはずだ。
そして、寝る前にやらねばならないことがある。そう、進化だ。まだリソースが溜まっておらず。明日以降に持ち越しと肩を落としていたが、ステータスカードを確認しながら魔玉の欠片を食べていたら。いつの間にかリソースが満ちて進化可能になった。
(魔玉をボリボリ喰ってるのを見られたら、狂人扱い待ったなしだな!)
端から見て石っころをポリポリ囓ってる光景は、変態そのものだ。
迷っていても仕方がない。明日も早いので、サッサと進化して眠ることにする。我ながら結構進化が早いと思うが、恐らくはBからAランクぐらいまでは、リソースが溜まりやすいんだと思う。これも勘だが、A以上は特別なランクでリソースが溜まりにくい仕様なのだと考えている。
――根拠は無いけど。
では進化可能な選択肢を確認する。
◆◇
〇【?????????】
ひとつ、いや。ふたつ訂正する。通常では進化のリソースやジョブレベルはここまで急に上昇しない。ならばレンジはなぜ此処まで速く上昇するのか?
答えは単純。回避できる戦闘を回避せずに。エンカウントした敵を全て殲滅しているからだ。
通常の冒険者は安全地帯の確保。野営に食事、休息に採取などが7割から8割。戦闘などに関しては2割。多い者でも3割いけば好戦的と言われるだろう。
それに対して、レンジは休息などは碌に取らず、戦闘が8割以上。他の冒険者がそのことを知れば、良く言われて戦闘狂。下手をすれば狂人扱いだろう。
だが幸いにも? レンジは誰かと冒険をしたことが無い。故にその事に気付かない。気付いたとしても、この行動を変えないだろう。
志波蓮二の行動とは他人の眼や評価よりも。効率が最優先される(法に触れない範囲で)。それだけのことである。
◆◇
新しい進化先が表示される。
〇【突然変異悪魔】種族ランク・C
〇【グレーターデーモン】種族ランク・C
〇【高位吸血鬼】種族ランク・C
〇【デーモン・ナイト】種族ランク・C
〇【ミスリル・ウーズ】種族ランク・C
◆◇
〇【突然変異悪魔】
限りなくランク7に近いランク6モンスター。グレーターデーモンの突然変異体。
強靭な肉体と高い再生能力。強力な魔法に状態異常などを使いこなす悪魔系天魔種の代表格。
一括りに天魔と言われているが。正確にはランク6以上の悪魔と天使を天魔種と称する。
グレーターデーモンよりスキルが多様かつ強力。
個体情報があまりに少ないため。どのような進化を遂げるかは誰にもわからない。
(恐らくは複数の魔玉を食べまくった影響だろう。フレーバーテキストも当たりくさい。今のところ第一候補だろう。グレーターデーモンより強いって言ってるしな)
◆◇
〇【グレーターデーモン】
ランク6モンスターでも上位種ヤギのような頭と4本の腕を持つ。
強靭な肉体と高い再生能力。強力な魔法などを使いこなす悪魔系天魔種の代表格。
グレーターデーモンは大抵がアークデーモンなどの上級悪魔に進化する。
(テキストを見てもスキルや状態異常攻撃がない以上。突然変異悪魔の方が魅力的だな)
◆◇
〇【高位吸血鬼】
日の光と吸血衝動などの弱点はあるが、夜や闇の中でなら極めて強力な吸血鬼の貴族階級。
強靭な肉体や暗黒魔法などにも適性を持っている。
日の光を浴びると徐々に肉体が灰と化す。
あのな、こんな奴。どうやって使うんだよ? 昼間に外さえまともに歩けん種族が使えるかよ、ダボが。せめて日光ぐらいは克服してから選択肢に出てきやがれ。
◆◇
〇【デーモン・ナイト】
ランク5モンスター。武器に対して高い適性を持つエリート悪魔。
このまま進化すれば【インペリアル・ロイヤル・デーモンガード】などの魔王直属騎士になれる日も夢ではない。
(つーか、悪魔が夢ってなんだよ? そもそも魔王なんていたら困るっての。空気読んでから選択肢に出て来いよ。・・・・まぁこれも無しだな)
◆◇
〇【ミスリル・ウーズ】
ランク6モンスター。体がミスリルで構成されている希少モンスター。ミスリルスライムの変異種。
高い物理防御と魔法耐性を持ち。極めて頑丈だがHPは低い。
通常の進化はオリハルコン・スライムだが、変異種がどのような進化を遂げるかは誰にもわからない。
(ミスリルスライムの魔玉を食った影響かな? いきなりスライム系統が進化先に出たところで戸惑いの方が強いぜ!
ぶっちゃけ未知の進化先がどうなっているのか興味はあるが、HPが低いなどのリスクは看過できない。これも無しだな)
てゆーか。、突然変異悪魔を選ぶしかねーし。事実上、他に選択肢など無い。ゲテモノは結構だが、次は迷うくらい魅力的な選択肢が出ると良いな! ステータスカードから突然変異悪魔を選択して進化を開始する。
◆◇
〇名前 :志波 蓮二
〇種族 :突然変異悪魔・種族ランク:C・0/100%
〇ジョブ:暗黒騎士LV:0(合計LV:150)
〇HP :3850
〇MP :4400
〇力 :1200
〇敏捷 :1650
〇体力 :1200
〇知力 :1021
〇魔力 :1650
〇運 :200
〇アクティブスキル
【黒魔法LV:6】・【結界LV:5】・【瞬間装備変更LV:2】・【暗黒魔法LV3】
【剣技】・【体技】・【盾技】・【空力LV:5】・【威圧LV:5】
〇パッシブスキル
【索敵LV:5】・【逃げ足LV:5】・【魔力操作LV:6】・【詠唱速度上昇LV6】
【剣術LV:5】・【気配遮断LV:6】・【体術LV:5】・【並列起動LV:7】
【毒耐性LV:5】・【麻痺耐性LV:5】・【恐怖耐性LV:5】・【装飾品装備数+1】
【魔法耐性LV:3】・【物理耐性LV:3】・【状態異常攻撃LV:3】・【呪い耐性LV:5】
〇種族特性
【飛行LV:4】・【悪魔の毒爪牙】・【偽装LV:6】・【悪意感知LV:6】・【光属性被ダメージ倍加】・【聖属性被ダメージ倍加】・【暗視LV:6】・【擬態LV:6】・【奇襲】
【影潜行】・【影操作】・【光学迷彩LV:5】・【高速再生】・【恐慌の魔眼LV:3】
・【契約書作成】・【HP回復速度上昇LV:2】・【MP回復速度上昇LV:2】
〇固有スキル
【智者の解析眼LV:2】【進化の系統樹】【万能言語対応】
◆◇
スキルレベルが軒並み上がり、新しいスキルも増えた。特に【光学迷彩】と【高速再生】はかなり使えそうだ。【HP回復速度上昇LV:2】【MP回復速度上昇LV:2】の価値は説明するまでも無い。【呪術】は【暗黒魔法】に統合された。
◆◇
〇【光学迷彩】
周囲の風景と同化することによって、視覚的に映らなくなる。
〇【高速再生】
脳や心臓以外の重要部位以外が損傷しても復元することが出来る。
しかし、臓器などの復元は時間がかかる。
再生してもHPは回復しない。
〇【契約書作成】
MPを消費することで。契約書を作成できる。
契約には双方の同意が必要であり、破棄した際の罰則を定めなければならない。
また、無理やり契約を結ぶ事は出来ない。
契約を一方的に破棄した場合はペナルティーが課される。
〇【結界】
魔力障壁の上位スキル。魔力障壁より複雑で高度なことが可能。
◆◇
やはり、天魔種と言われるだけの性能はありそうだ。使えるスキルも実に良い物ばかりだ。
しかし、【浮遊】が【飛行】に進化したことで、【空力】の価値が下がってしまった。
【暗黒騎士】をカンストすれば合計レベル250。就けるジョブの数も限られてくる。
一度ジョブの取り直しまで含めて検討するべきだろうな。まぁカンストしてから検討するべきことだ。
それに次にジョブは【聖騎士】か【竜騎士】を取りたいところだ。
【聖騎士】は、あらゆるダメージ軽減スキルや回復魔法を使える防御寄りの万能型。
【竜騎士】は、竜に騎乗するスキルや攻撃特化の【竜魔法】なる魔法が使えるらしい。
【聖騎士】の条件は結構難しいが、頑張れば取れないことは無い。条件の内の幾つかはバリアン湿地帯で達成できそうだし、これを身近な目標とするべきだろう。
【竜騎士】は、ほかの条件はともかく。【ランク5以上の竜種をテイムする】が、かなりネックだ。
極稀にオークションやテイム市場に流れてくるらしいが、竜種のテイム自体が難しいので、かなりの高額のようだ。
自分でテイムしようにも、テイムと使役に特化した【従魔師】は、ジョブをその系統で埋めなければ高位のモンスターの運用が難しい。
どうもモンスターごとにキャパが必要らしく。獣魔師系統は、必要のキャパを満たすのが大変のようだ。(このジョブを取る本音は「ドラゴンに乗ってみてー」だが移動などの実用性も視野に入れての結論だ)
【竜騎士】は竜種に関してだけは、キャパが多く取ってあるようなので運用できるが。かなりの幸運と実力に恵まれなければ、就く事の出来ない狭き門のレア上級職らしい。
さて、あれこれしている内に飯は食った。装備は整えた。持っていくものは確認した。
明日はかなりの危険地帯に足を踏み入れる。早く寝るとしよう。
(あ、そういえばレベルの上限を超えたジョブについて聞くことを忘れていた。明日、向かう先でギルド長にでも聞いてみるかね)
バタバタしていて、肝心なことを聞き忘れてしまったが。明日聞けばいいか! と開き直ると俺は眠りについた。




