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第15話 迷宮探索とスキル検証


 〇<始まりの迷宮>【闘士】志波蓮二


 階段を降りるとロープレの定番ともいえる石造りの通路にぶつかった。


 RPGで定番と言っていいものだったが、通路の幅や天井もかなり余裕をもって創られている。


「まぁ武器も振り回せないような意地の悪い仕様はしないか」


 こちとら古今東西の名作やクソゲーをやり込んできた。

 意地の悪い仕様や、『クリアさせる気ねーだろ!』とクレームを付けたくなるクソ仕様は嫌になるほど経験済み。狭いなら狭いで、やりようはある。


「よっと」


 念の為に壁を軽く蹴ってみると、反動が返ってきた。確かに本物だ。


 さて、見渡す限り代わり映えのしない石の通路が続いている。


 【叡智】さんの説明を補足すると。通常のダンジョンはこのような迷路式だけでなく、オープンフィールドの様な形式のものもかなりあるとのことだった。


 ただし、ダンジョンの仕様はともかく。所在地や数、内部の詳細は教えられないようだ。


 ・・・・・ケチがっ!


 だがこちとら悪喰ゲーマー。ジャンル問わず、無節操に様々なゲームに手を出してきたゲー歴は伊達ではない。


 初心者のダンジョンと銘打ちながら、難易度調整をミスって即死トラップや崩落床などラスダンに登場するトラップ満載の鬼畜仕様だったことなど一度や二度ではない。  

 ここは一つ慎重に進むべきだ。俺は騙されんぞ!



  ◆


 俺の予想を外して、迷宮を探索を始めて9時間たったが。

 ぶっちゃけ迷宮探索は恐ろしいほどスムーズに行うことが出来ている。   


 1~4階まではランク1の魔物しか出なかったのではぼワンパンでKO。特殊行動をする魔物も存在せず、さして苦戦することも無い。


 罠の類も警戒していたが、あからさま過ぎてトラップとは片腹痛いレベルの物ばかり。

 流石にチュートリアルではそこまで悪意ある仕様ではなかったようだ。


 警戒して拍子抜けした気分だったが、油断させるための前振りの可能性もある。油断せずに行こう。


「そりゃこんなモンが手に入りゃ気は抜けんさ」

 

 ここまでの道中、入手した戦利品から俺は警戒感を強めていた。


 ◆

 〇毒消しのポーション:軽度の毒を打ち消す(8級)×20個

 〇麻痺直しのポーション:軽度の麻痺を打ち消す(8級)×10個

 〇回復のポーション:飲むことでHPを徐々に回復する。傷口にかけることで軽度の傷を癒すことが出来る(8級)×25個

 〇ロングソード・・・・・・・・・・(8級)

 〇バトルアックス・・・・・・・・・(8級)

 〇鉄の盾・・・・・・・・・・・・・(8級)

 〇短弓・・・・・・・・・・・・・・(8級)

 〇ランク1の魔玉の欠片・・・・・・239個

 〇スライムの核・・・・・・・・・・3個

 〇スライムのゼラチン・・・・・・・90個

 〇ゴブリンの棍棒・・・・・・・・・2個

 〇ゴブリンの眼・・・・・・・・・・1個

 〇ゴブリンの耳・・・・・・・・・・100個

 〇スモールバットの牙・・・・・・・24個

 〇スモールバットの羽・・・・・・・19個


 ◆


 この量だ。【アイテムボックス】はすぐに容量の上限まで達してしまう。 

 いちいち入り口まで戻って使い道の無い戦利品を置く羽目になった。


(そういやオークの睾丸とか、ホワイトウルフの毛皮なんかも入っていたし、30㎏が容量の上限なら仕方がないか。 

 そして毒消しや麻痺直しが出てくるってことは恐らく、その状態異常を使ってくる敵が出てくるんだろうさ。

 いきなりランク3はないだろう。次からはランク2のモンスターを覚悟しておいた方が良いな)


(正直、この戦利品を地上で売ろうとしたら相場はいくらになるかわからんし。

 どこで手に入れたか、出所は確実に聞かれる。「道端で拾いました」なんて通じるほど世間は馬鹿じゃないしな。ゲームならギルドとか商店が存在するから売却できるんだろうが。仮に世界中でダンジョンが出来てもこれらを活用するシステムがすぐに出来るとは到底思えん。

 それまでこのアイテムをどうするか考えておくべきだな。あとこのダンジョンを見つけるには、この家の地下に入るしかないはずだ。簡単に嗅ぎ付けられるとは思えないが・・・・・何か手を打っておくべきだろう・・・・本棚で門の周りを囲い込むとかでもいいが。ダンジョンに入る度にいちいちどかすのは面倒だが、背に腹はかえられない。

 今の俺の筋力なら楽勝だろうし、我慢するさね)


 とりあえず武器はロングソードと鉄の盾以外は入り口に置いてきた。


 次は一番の心配だった、スキルや魔法の発動については問題なくクリアできた。


 このチュートリアルが終われば【叡智】は使用できなくなるので、今のうちに聞けることや気になったことは聞いておいた。スキル・魔法のレベルについてはも大凡理解できた。


 閑話休題(それはともかく)


 スキルは使いたいスキル名を、脳内で唱えるだけで発動できた。しかし、魔法はどうやら途轍もなく自由度が高いようだ。

 現在は黒魔法LV:2まで上昇しているが、ファンタジーでお馴染みの火・水・風・土の4大属性は予想通りだが、種類が途轍もなく膨大で、正直持て余しそうだ。


 ただ属性に対しての適性などもあるようで、同じLV:1の位階でも発動速度に差があった。

 俺は火属性と風属性が相性がいいようで次点が土。・・・・水はあまり適性が無いようだ。


 【叡智】が一般的な魔法名と詠唱の呪文を脳内に直接インストールしてくれたおかげで、たいして頭が良くない俺でも忘れたりすることはなさそうだ。・・・・・・インストールの最中は頭がガンガン痛くなったのはご愛敬だろうさ。


 ちなみに、呪文の詠唱は心の中で唱えても問題無いようだ。

これにはマジで助かった。詠唱から使う魔法を読まれたり、下手すれば丸わかりになるからな。


 第一位階の黒魔法【火炎弾(ファイアーブリット)】の「炎よ我が意志により形となりて、敵を滅ぼさん」こんなのを、いい歳こいた大人が声に出して叫んでいるのを誰かに聞かれたら。はっきり言って引き籠りか人目に付くのも恥ずかしい。

・・・・俺が厨二大好きなのは否定せんがな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


〇名前 :志波 蓮二

〇種族 :インプ・・・種族ランク:G

〇ジョブ:闘士  LV:23 (合計LV:23) 


〇HP :460

〇MP :590

〇力  :196

〇敏捷 :170

〇体力 :150

〇知力 :130

〇魔力 :211

〇運  :59


〇アクティブスキル

【黒魔法LV:2】・【魔力障壁LV:1】・【瞬間装備変更LV:1】


〇パッシブスキル 

【索敵LV:2】・【逃げ足LV:1】・【魔力操作LV:1】・【詠唱速度上昇LV:1】

【剣術LV:1】・【気配遮断LV:1】・【体術LV:1】


〇種族特性

【浮遊LV:1】・【小悪魔の毒爪牙】・【偽装LV:2】・【悪意感知LV:1】・【光属性被ダメージ倍加】・【聖属性被ダメージ倍加】・【暗視LV:3】


〇固有ギフト

【愚者の叡智】【無限の可能性】【多言語対応】

(上記は当ギフト所有者以外。如何なる魔術・スキルを以てしても閲覧・解析は出来ません)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 (さっき地上に上がって確認したら夜の19時。それなりのペースで進んできたはずだ・・・新たに習得できた文字通り気配を薄くする【気配遮断】。一度使用するとクールタイムはあるが、指定した装備に瞬時に切り替える【瞬間装備変更】。特に暗闇でも昼のように見える【暗視】は今後。かなり役立つはず。しかしながら、【剣術LV:1】と【体術LV:1】はどうやら習得していると剣や拳、脚などの威力と速度に補正がかかり、高レベルになると思ったような使用が出来る、言わばセンススキルのようだ、今後更なる戦術を考えないといけねぇな!)


 (このダンジョンがどれ位の階層があるかは知らんが。ヤマ勘で10層くらいだと思う。

 これまで適度な休憩をはさんできたが・・・・そうだな後、5時間。0時までにして、今日は切り上げよう。疲労で集中力が落ちてくると思わぬミスが出る。体は疲れなどさして感じてないが、アドレナリンが出まくって脳が麻痺してる可能性もある。次の階層からは俺が苦戦したオークと同じランク2のモンスターが出てくるはずだ。切り上げ時は決めておくべきだな)


 そこまで考えると、思考を切り上げて俺は5階層へと続く階段を下って行った。

お読みいただきありがとうございます。

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