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第13話 種族選択


 門を潜ってダンジョンの階段を下りていくと。

【叡智】に聞いていた通り、中央に巨大な水晶が設置された大きな広間に出た。


 まず真っ先にやることは【種族】と【ジョブ】のどちらを選択するかだが。直感に従いまずは種族から選択しよう。

 早速、懐からステータスカードを取り出し、点滅している種族の文字にタッチするとこのような選択が現れた。


 〇種族の選択をします。 どちらの種族を選択しますか?


【人間種】or【異形種】


 なんとなく想像がつくが一応。念のため【叡智】で確認する。


 〇【人間種】

 人型範疇生物全般を表す言葉。様々なジョブに適性を持ち。種族的な弱点は特にない。

 但し、選択した種族によってはジョブ適性や補正に差がある。


 〇【異形種】

 大まかな分類としては魔物全般を表す言葉。

種族によっては弱点や欠点があるが。進化することにより無限の可能性を秘めている。

 もしも同レベルならば通常の人間種よりもはるかに強力な個体が多い。

 通常は選択肢に浮かんでこない。選択するにはその種の因子が強い個体であるか特殊なスキルやアイテムが必要。


 普通に【異形種】を選択できるんだけど?


 (つーか、もし外見が魔物になったら日常生活もできね~じゃん。そんなん選択にすら上がらね~よ。いや、待てよ?・・・・ひょっとしたら!!)


 「【叡智】。・・・・異形種で最初から外見が今と変わらない種族はいるのか?」


(マスターのリクエストの条件を満たした種族のリストを表示します)



 〇『天魔種』

 古くは『天族』・『悪魔族』と呼ばれていたが、研究により祖は同一のものから枝分かれしたことが判明。ゆえにまとめて『天魔種』と呼ばれるようになった。

 人に干渉することが多い種なので、下位種でも偽装・変身能力を持っている。


 下位種は決して強いとは言えないが、進化することによって危険なスキルや強力な魔法を習得する。

 また上位種になると再生スキル等を獲得した個体も多い。敵対すると非常に危険。


 また進化先も多種・多様にわたり、どのような進化先が現れるかは未知数。



(よーするに、悪魔になるか天使になるか進化()しだいってことか?)


(異形種は普通、選択に出ないってんならレア種族っと読み取れる。

 テキストを見る限り将来性もある・・・・人の外見が保てるなら選択としては有りだな。よし、次だ。いや、ちょこちょこ見るのも面倒だ。まとめて表示してくれ)



 〇『液状生命(スライム)種』

 食物連鎖の最下層。下位種は子供でもきちんと準備をすれば狩る事が出来る。

 しかし、無限の可能性を秘めており。上位種は危険なスキルや特性を持っている。

 過去に現れた異常進化個体が『魔王』となって人の国を滅ぼしたことがある。


 〇『竜種』

 様々な伝説や神話に登場するファンタジーの代表格と言っていい種族。

 幼体は強いとは言えないが、進化して成長した個体は強靭な肉体と強力なスキル、魔法を使う個体が多い。

 進化先も多種にわたり、上位種は言語を理解し、人化のスキルを獲得する場合がある。


 

(いや、スライムが滅ぼした人の国ってどこの国だよ? つーか、そもそも『魔王』ってなんだよ?

 突っ込みどころが多すぎて逆に突っ込めねーぞ。おいっ!)


 まぁどれもファンタジー系ゲームの代表格ともいえる物ばかり。

 ゲーマーの俺にとっても馴染み深いな。魔物になって戦うゲームで選択したこともある。


 そこからはじき出した選択は。


 スライムは・・・・無しだ。将来性はあっても最初の内は子供でも狩れるくらい弱いってことだろ?

 仲間がいるならともかく、ソロの俺にはいざという時に助けてくれる人がいない。

 死んでもデスぺナで復活するゲームならともかく死んだらお陀仏なんだ、んなギャンブルできるかよ。


 ・・・・・・まぁ浪漫はあるがな。


 竜種も魅力的だが上位種が人化スキルを獲得って言葉が気になる。下手すると上位種になるまでは人の姿を取れね~かもしれん。


 もしも竜が人の町に出たら大騒ぎだ。日常生活すらまともに出来ない博打は打つ気にさえならん。・・・・・・ゲームなら嬉々として選択するだろうがな・・。俺の性格だと。


(となると天魔種か?いや、念のために人間種も確認しておこう!!)


 リストの中には【森人種】(エルフ)【獣人種】(ビーストマン)【鉱人種】(ドワーフ)【竜人種】(ドラグニュート)【巨人種】(ジャイアント)【小人種】(ホビット)とファンタジー好きなら一度は聞いたことがある種族がリストに上がっていた。


 しかし、【叡智】で調べてみても【異形種】ほどの特異性や能力上昇は見込めないようだ。


 少しでも強い種族を選びたいならやはり【異形種】。


(リスクもあるがリターンは十分に見込めそうだ。やはり【異形種】の『天魔種』を選択するべきだろう)


 そう決めてステータスカードの『天魔種』に触れる。

カードを見ると、そこには四つ選択が現れていた。


〇『インプ』・・・・・・・・種族ランク:G

〇『マッドガーゴイル』・・・種族ランク:F

〇『キューピッド』・・・・・種族ランク:H

〇『見習い天使』・・・・・・種族ランク:G



(時間は惜しいが。こういった時間をケチってこの手の選択をミスると経験上、ろくなことがねぇ。おおよその予想は出来るが調べておくか)


 〇『インプ』

 種族ランク:G

 闇の道に足を踏み入れたばかりの最下級悪魔。

まだまだ踏み入れた闇は薄く浅い。今後はどの様な道を歩むことになるかは誰にもわからない。


 〇『マッドガーゴイル』

 種族ランク:F

 悪魔崇拝を行う小さな教団が崇めるために作った泥の悪魔像に邪念が宿った存在。

 今後、歩める道はある程度決まっている。所詮、泥を固めた程度なので脆いうえに豪雨等に晒されると崩れ落ちてしまうなどの弱点も多い。


 〇『キューピッド』

 種族ランク:H

 神の意志を代行せし、『大天使』・・・・・・の最下層である『下級天使』の手足となるべき存在。

 稀に『見習い天使』まで昇進することもあるがそれは極めて稀なこと。


 〇『見習い天使』

 種族ランク:G

 神の御使い『大天使』の手足となって働く『天使』の見習い。

 大いなる可能性を秘めているが、行動によっては恐ろしいことが起こる可能性がある。


(サラッと恐ろしいことを言うんじゃねぇよ。なんか哀愁が漂うような説明もあるし。誰かしらの悪意を感じるんだが。

 ってかこんなん『インプ』しか選べねぇじゃんか?『マッドガーゴイル』は弱点だらけ。『キューピッド』は将来性に問題あり。『見習い天使』は有望だがなんか説明文が怖いってか、そもそも恐ろしい事ってなんだよ? この状況がすでに恐ろしいんだよ、ボケが!)


 この手の選択はゲームではお馴染みだ。ゲームのらワクワクする作業も現実になると苦痛しか感じねぇ。


 ダンジョンに入る前にすでに疲れてきた。ここは将来性も加味し『インプ』を選択する。


 俺はインプのテロップをタップする。


(『インプ』が選択されました。これより進化を開始します)


 頭に声が響くと同時に体が黒い靄に包まれる。


 靄がまとわりついておよそ一分。ラノベのように気を失うことなどはなかったので、早速ステータスカードを確認した。


◆◆

〇名前 :志波 蓮二

〇種族 :インプ・・・種族ランク:G

〇ジョブ:未選択


〇HP :85

〇MP :35 

〇力  :35

〇敏捷 :25

〇体力 :40

〇知力 :52

〇魔力 :38

〇運  :29


〇アクティブスキル

【黒魔法LV:1】・【魔力障壁LV:1】


〇パッシブスキル 

【索敵LV:1】【逃げ足LV:1】【魔力操作LV:1】


〇種族特性

【浮遊LV:1】・【小悪魔の毒牙爪】・【偽装LV:2】・【悪意感知LV:1】・【光属性被ダメージ倍加】【聖属性被ダメージ倍加】


〇固有ギフト

【愚者の叡智】【無限の可能性】【多言語対応】

(上記は当ギフト所有者以外。如何なる魔術・スキルを以てしても閲覧・解析は出来ません)


◆◆


 おおっ! スキルとか一気に増えてる。これで少しはマシになるはずだ。


 さて、次はジョブの選択だな。これも生命線になる慎重に選ばねぇとな。


 職業の選択。これもゲームじゃお馴染みだが、巫山戯てネタ系を選べる気軽さが無いのが辛いねぇ。


 ガチ系統を選ばねぇとな、


(選択基準は汎用性と応用性がある程度あるものにするべきだ。イロモノは除外だな。【叡智】に表示してもらうか?)


 こうして俺は無事?に最初の種族選択を終え。次はジョブの選択にかかる。

お読みいただきありがとうございます。


〇スキル説明


【索敵LV:1】・周囲50メートルを索敵する。

【逃げ足LV:1】・逃走時敏捷に補正。

【魔力操作LV:1】・魔力を使った技能に補正が掛かる。


〇種族特性

【浮遊LV:1】・MPを消費して数メートル宙に浮かぶことが出来る。

【小悪魔の毒牙爪】・牙と爪の攻撃に毒属性を付与。

【偽装LV:2】・ステータスを偽ることが出来る。高レベルの看破には無効化される。

【悪意感知LV:1】・自分に向けられる悪意を感知する。

【光属性被ダメージ倍加】・【聖属性被ダメージ倍加】・光属性と聖属性の受けるダメージが倍加する。

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