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ハーム村

(ど・・・どうやってごまかそう)


唸れ!俺の灰色の脳細胞!


「・・・実は逃げてきたんです」

「?何からだ?」


俺の言葉にナイスミドルが訝しげな表情を浮かべて尋ねてきた。


「私の父は色んな人から恨みをかっているんです」


これは嘘ではない。父(魔王)は多くの人族に恨まれている。


「それで、娘の私も巻き込まれてしまうかもしれなくなって・・・」


これも嘘ではない。人族と魔人族の間で戦争が起こると、私は魔王の娘として囚われるだろう。


「・・・そうだったのか。それで君は逃げたのか」


ナイスミドルさんは納得したように頷いたが彼の仲間のチャラ男さんが口を挟んだ。


「おいおいおいおい!?ミルド、そんな事で納得すんのか!?幼女が森を一人で歩くわけねぇだろ!?」


チッ!後もう少しだったのに!見た目がチャラいくせに!


「チャラリーオ・・・」


名前が酷い!?


「そうだぞ!こんな天使が嘘をつくというのか!?」


「黙れよ!ロリンコ!お前はただのロリコンだろ!」


優男風の奴が叫んだ。名前がロリンコってこっちも酷い名前だし、ロリコンなのかよ。

俺が身の危険を感じて蔑んだ目を向けると恍惚とした顔で少し震えた。キモっ!?


「・・・連れが済まない。俺の名前はミルド・ナイズだ」

「俺はチャラリーオ・カールインだよ」

「私はロリンコ・ロリスキーです」


最後の奴は家名の方もヤバイな!!

俺はチャラリーオとロリンコから距離を取り、ミルドの後ろに隠れた。



「成る程、ハーム村に向かっていたのか」


ミルド達『暁の翼』はどうやらハーム村からの依頼でこの森に来ていたらしい。


「しかし、その年でどうやってそこまでの腕になったんだよ」


チャラリーオが俺に向かってそう問いかけてきた。


「それは、彼女の才能でしょう?」


ロリンコが庇ってくれたおかげで誤魔化す手間が省けた。有難うロリンコ。しかし、感謝の言葉は伝えないぞ。


「お、見えてきたぞ」


どうやらハーム村に辿り着いたようだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「有り難いです!ヘルハウンドを倒してくれるなんて!」


ハーム村村長がミルドに感謝の言葉を言っていた。が、言われていたミルド達は微妙な表情をしていた。


「どうしたんですか?」


その表情に気付いた村長は不思議な顔をしてミルド達に尋ねた。

・・・俺?俺はミルド達の後ろに立っているよ?ロリンコからの熱い視線が怖いが。


「あー、その事なんだがな・・・」

「はい?」


ミルドは意を決したように話した。


「ヘルハウンドを倒したのはオレ達ではなく、こっちのフィールだ」


そう言ってミルドは俺の手を引いて前に出した。俺は思わず「えっ?」という顔でミルドを見た。


「この少女がですか・・・?」


村長が信じられないような顔をして俺を見た。


(まぁ、信じられないよね)


俺もつい、目をそらさずに村長を見た。俺は村長と図らずも見つめあってしまった。

フィール「・・・」

村長「・・・」

ロリンコ(羨ましい〜ッ!!)(血涙)

チャラリーオ「・・・血の涙が出てるぞ」

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